スズキ「イグニス」は1970年代/80年代/2000年代との“クロスオーバー”:車両デザイン(2/2 ページ)
デザインでスズキらしさを継承させることにこだわるのは、スズキが市場で得てきた信頼や安心感のイメージを伝えるためだ。「日常の使い勝手が良く親しみのあるクルマとして、長い時間をかけてスズキは評価してもらった。スズキらしさにこだわるのは、その期待を裏切らないというわれわれの決意でもある」(竹内氏)。
従来の車両デザインでも過去のデザインを受け継ぐ例はあったが、複数のモデルから取り入れるのは初めての試みだ。「新型エスクードに旧型エスクードで記号となっていたデザインを取り入れたり、新型『ラパン』にこれまでのラパンらしさを受け継がせたりすることはやってきた。スズキにとって新ジャンルとなるイグニスだからこそ、モデルを超えてスズキらしさを持たせることができた」(同氏)。
今後も、イグニス同様の過去と未来を結び付けるデザインを続けていく方針だ。「現状でどのモデルにどんなデザインを受け継がせるか決まっている訳ではないが、モデルの趣旨に合った記号であれば積極的に取り入れたい」(同氏)としている。
車体色もイグニスの個性を支えている。今回、イグニスに合わせて「フレイムオレンジパールメタリック」「ネオンブルーメタリック」「ヘリオスゴールドパールメタリック」の3色を新開発した。
新開発の車体色「ネオンブルーメタリック」(左)と「ヘリオスゴールドパールメタリック」(右)。 (クリックして拡大)
最後まで色出しに苦労したのが、高彩度なオレンジ色のフレイムオレンジパールメタリックだという。「鮮やかなオレンジ色は塗装が難しいので、茶色に近い暗い色味にしようという意見もあった。中塗りなどの工程を工夫して彩度の高いオレンジ色を実現できた。街中でも映えるだろう」(同氏)。
色出しが最も難しかった車体色「フレイムオレンジパールメタリック」 (クリックして拡大)
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