富士フイルムは、アニコム ホールディングスと、再生医療を中心とした動物の先端医療分野で業務提携し、来春に合弁会社を設立すると発表した。両社の強みを生かし、動物の先端医療発展に向けた取り組みを進めていく。
富士フイルムは2015年12月21日、アニコム ホールディングス(アニコム)と、動物の先端医療分野で業務提携し、2016年春に合弁会社を設立する基本合意を締結したと発表した。
ペットの家族化が進む近年、人と同様に、長寿化によってがんや糖尿病などの生活習慣病に罹患する犬猫が増えており、動物医療の高度化を望む飼い主が増加しているという。動物に適した医療を提供していくためには、動物での診療データを明確なエビデンスとして蓄積していく必要がある。さらに、動物医療の高度化によって高額化する医療費の負担を軽減する、ペット保険の重要性が高まることも予測される。
両社では、今回締結した基本合意に沿って、再生医療を中心とした革新的かつ高度な、動物の先端医療技術およびサービスを開発、提供する合弁会社を設立することにした。出資比率は富士フイルム51%、アニコムが49%となる。
富士フイルムには、写真フィルムで培った高度な生産技術や品質管理技術、画像診断技術、血液の化学成分を分析する技術、再生医療に関する技術がある。アニコムは、約60万頭の契約を有するペット保険の国内最大手グループとして、全国約6000の動物病院ネットワーク、電子カルテシステム、豊富な診療情報を強みとする。新会社では、これらを組み合わせることで、動物の先端医療発展に向けて以下3点の取り組みを進めていく。
1つ目は、動物を対象とした再生医療などの診療法の開発。2つ目は、治療に用いる細胞などを安定して生産する技術の開発と、品質保証体制を整えること。そして、医療画像を含む診療データを蓄積し、診療行為に活用する仕組みを構築することだ。
新会社は、これらの取り組みを通じて、動物の先端医療技術およびサービスを開発し、動物病院に対して提供していく。なお、同技術・サービスに必要な機材のうち、再生医療用材料および画像診断システムなどの医療機器は富士フイルムが、電子カルテシステムはアニコムが提供する。アニコムは、飼い主の医療費負担軽減と先端医療普及に向けて、ペット保険の開発も進める。
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