ここ数年、ウェアラブルという言葉が急に脚光を浴びるようになりましたが、実はウェアラブルという言葉は20年も前から提唱されています。
PCが小さくなり、ディスプレイとキーボードがなければある程度小さくできるようになった時点で、「これをいろいろな作業現場に持ち運んで使えるのではないか」と考えられました。作業現場では、両手は作業に使い、PCを手で持つことは作業効率を損ないます。また、手でPCを持って作業したのでは、PCを落とす危険性もあります。
そこで、ジャケットやベルトを使って体に装着できるようにしたPCが開発され、これを「ウェアラブル・コンピュータ」と呼びました。例えば、日本アイ・ビー・エムのノートPCグループだった大和研究所(現在は閉鎖)では、1998年にウェアラブル・コンピュータの試作機を発表しています。
2006年頃になると、「いつでもどこでもコンピュータが使える」という意味で、「ユビキタス」という言葉が流行語になりました。2007年の電気、通信系各社の社長の年頭の辞ではユビキタスのオンパレードでした。
このユビキタスを実現する技術がウェアラブル・コンピュータで国内数社で製品化されました(図5)。これはメガネ型のディスプレイ装置を備えています。
これは、1998年に「IEEE802.11」が標準化され、その後、徐々にPCでも実用化が普及してきた無線LAN(Wi-Fi)でデータを他のPCとやりとりします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.