ユアサ商事らは、工業製品向けAI外観検査装置「F[ai]ND OUT」シリーズ「MEX TYPE-S」を開発した。外観検査と寸法検査をワンパッケージにし、製造現場の省人化や省スペース化、高品質の保持に寄与する。
ユアサ商事は2025年6月23日、工業製品向けAI(人工知能)外観検査装置「F[ai]ND OUT(ファインドアウト)」シリーズ「MEX TYPE-S」を開発したと発表した。connectome.design、山洋電気、ティーアイジーと共同で開発した。
同製品は、シャフトをはじめとする金属製品に特化したAI検査装置だ。外観検査と寸法検査をワンパッケージにし、製造現場の省人化や省スペース化、高品質の保持に寄与する。
外観検査はシャフトの撮像画像をAIが分析し、傷や打痕、切粉などを画像ともにNG判定する。寸法検査はシャフトの投影画像から、最大100カ所を同時に測定できる。
近年、特に自動車業界において検査測定のトレーサビリティーと規格強化が重視されており、従来はユニットごとに実施していた品質検査から、インライン検査や全品検査への移行が進んでいる。このように現場の負担が増す中、製造業の従事者数は減少しており、検査工程の省人化や自動化のニーズが高まっている。
F[ai]ND OUTシリーズは、ワンパッケージで簡単にラインに設置でき、最短5分で検査が可能。大量の不良品を準備する必要がない。こうした特徴を工業製品(シャフト)向けに応用し、TYPE-Sを開発した。なお、食品検査向けの「F[ai]ND OUT EXW」は、第67回(2024年)日刊工業新聞十大新製品賞の「モノづくり賞」を受賞している。
同社は、シャフトを検査対象とするTYPE-SをF[ai]ND OUT MEXの第1弾製品とし、今後も多様な金属製品に対応できるよう開発を進めていく。
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