Volvo Cars(ボルボ)は、今後発売する全ての車両にプラグインハイブリッド車を設定することを柱とする包括的な自動車の電動化戦略を発表。「SPA」と互換性を持つ小型車向けモジュラープラットフォーム「CMA」も導入し、「V40」クラスの小型車にもプラグインハイブリッド車を設定する方針だ。
Volvo Cars(ボルボ)は2015年10月15日(欧州時間)、今後発売する全ての車両にプラグインハイブリッド車を設定することを柱とする包括的な自動車の電動化戦略を発表した。「V40」クラスの小型車でもプラグインハイブリッド車を新開発するとともに、2019年までに電気自動車も発売する。これらの電動化戦略によって、ボルボが販売する新車の電動化車両比率を最大10%まで引き上げることを中期的な目標としている。
ボルボは、フラグシップSUV「XC90」に、排気量2.0l(リットル)の過給エンジンと後輪側に設置した最高出力60kWのモーターを組み合わせた四輪駆動パワートレイン「T8」を採用したプラグインハイブリッド車を投入している。同社は、エンジン+モーターのように2つのパワーソースを持つパワートレインを「Twin Engine(ツインエンジン)」と呼んでおり、今後はプレミアムセダン「S90」などにもツインエンジンを適用したプラグインハイブリッド車を設定していく方針。「V60」や「S60」、「XC60」といった「60シリーズ」にも、プラグインハイブリッド車を順次導入していく。さらに、T8のような四輪駆動パワートレインだけにとどまらず、前輪駆動の車両についてもツインエンジンのプラグインハイブリッド車を設定することになる。
「XC90」や「S90」などの90シリーズと60シリーズはボルボの中では大型車に属する。これら大型車向けに車台や各種車載システムをスケーラブルに適用できるモジュラープラットフォームとして開発されたのが「SPA(Scalable Product Architecture)」である。SPAの第1弾モデルが「XC90」であり、今後SPAに基づいて新規開発される90シリーズと60シリーズの車両は、XC90と同様に、容易にプラグインハイブリッド車を設定できることになる。
今回の電動化戦略に合わせて、小型車向けのモジュラープラットフォーム「CMA(Compact Modular Architecture」も発表されている。CMAはSPAと互換性を持つとともに、SPAの進化バージョンでもあるという。CMAに基づく新型車が2017年に発売される予定だ。
このCMAについても、SPAと同様にツインエンジンのプラグインハイブリッド車が設定される。CMAとSPAの間では、パワートレインや車載情報機器、車載ネットワークといった技術をスケーラブルに適用できるように共有しているため、SPAの技術をCMAに転用してプラグインハイブリッド車を開発するのは容易だからだ。
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