4K技術搭載の外科手術用内視鏡システムを順次発売医療機器ニュース

オリンパスは、4K技術を搭載した外科手術用内視鏡システムを、2015年10月上旬から日本とヨーロッパで発売する。ソニー・オリンパスメディカルソリューションズが技術開発したシステムで、内視鏡手術の正確性・安全性を追求した。

» 2015年10月05日 08時00分 公開
[MONOist]

 オリンパスは2015年9月16日、4K技術を搭載した外科手術用内視鏡システムを、10月上旬から日本とヨーロッパで順次発売すると発表した。同製品は、オリンパスが有する医療機器のノウハウと、ソニーが有するデジタルイメージング技術などを、両社の医療事業に関する合弁会社であるソニー・オリンパスメディカルソリューションズが統合し、技術開発したものだ。

 開腹せずに、体表に開けた数カ所の穴から外科手術用内視鏡と専用器具を挿入して行う内視鏡外科手術は、術後の痛み軽減や早期回復などの効果が期待でき、患者の負担が少ない低侵襲治療として知られている。今回発売されるのは、この内視鏡外科手術のさらなる正確性・安全性向上を追求した製品だ。

 4K(3840×2160ピクセル以上)技術を搭載しているため、従来機のフルハイビジョン映像に比べて画素数は約4倍。細部までクリアで高精細な映像により、手術中の視認性が向上する。また、同システムと組み合わせて使用する4Kカメラヘッドには、ボタンを押すだけで瞬時にピントを合わせるワンタッチオートフォーカス機能を搭載した。高解像硬性腹腔・胸腔鏡では、光学視管にED(Extra-low Dispersion)レンズを採用し、色収差を抑えて、周縁部までシャープな画像が得られるようにした。

 さらに、色再現性と色相領域が豊富なため、血管、神経、リンパ管などの微細組織を容易に識別できるようになる。特に、手術時に重要な「赤」の再現性が向上したことで、微細組織の境界把握向上につながる。

 モニターは55インチの大画面で、高精細な映像を物理的に大きく見ながら手術できる。電子ズーム機能を使うことで、光学視管を腹腔内で離して使えるため、他の穴から入れている別の手術器具との干渉も低減できるという。

 発売時期は「VISERA 4K UHD カメラコントロールユニット OLYMPUS OTV-S400」「VISERA 4K UHD 高輝度光源装置 OLYMPUS CLV-S400」「4Kモニター(31/55型) LMD-X310S/X550S」「4Kカメラヘッド OLYMPUS CH-S400-XZ-EB」「高解像硬性腹腔・胸腔鏡」が2015年10月上旬の予定、「4Kレコーダー」が2016年年初の予定だ。

photo 左:4K外科手術用内視鏡システム(システムセット例)、中央:4Kカメラヘッド、右:高解像硬性腹腔・胸腔鏡

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