日本メナード化粧品らは、炎症性皮膚疾患である酒さの慢性化に皮膚常在菌叢の乱れが関与している可能性を明らかにした。酒さ患者の皮膚では、健常な人と比べてレンサ球菌の割合が高いことが確認された。
日本メナード化粧品は2025年7月23日、炎症性皮膚疾患である酒さの慢性化に、皮膚常在菌叢の乱れ(ディスバイオーシス)が関与している可能性を明らかにしたと発表した。藤田医科大学との共同研究による成果だ。
酒さは額や鼻、頬などに赤みやほてり、刺激感が現れる慢性炎症性疾患だ。これまでに症状と皮膚常在菌の関連性は指摘されていたが、詳細は明らかになっていなかった。
今回の研究では、23〜70歳の酒さ患者女性19人と34〜60歳の健常女性12人を対象とし、皮膚常在菌の構成比を網羅的に調べた。
対象者の頬から綿棒で皮膚常在菌を採取し、次世代シーケンサーによって菌叢を解析した。その結果、酒さ患者ではレンサ球菌の占める割合が健常な人よりも高いことが判明した。レンサ球菌は一般的な菌だが、健常な皮膚には少ない常在菌であることから、酒さ患者では皮膚常在菌叢のバランスが崩れている可能性が示唆された。
また、PCR法による菌数測定では、統計的有意差は認められなかったが、健常な肌からはほとんど検出されなかったレンサ球菌が、酒さ患者では多数確認された。
研究グループは、今後も酒さと皮膚常在菌との関連を調べ、酒さが慢性化するメカニズムの解明や顔の赤みを改善する新たな手法の開発を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.