「OLYMPUS PEN Lite E-PL1」は、“Lite”の名称が表すように、OLYMPUS PENのライト版。この機種では軽量化・小型化を目指したが、魔法をかけるように小さくなるわけではない!
「OLYMPUS PEN Lite E-PL1」(以降、E-PL1)は、“Lite”の名称が表すように、OLYMPUS PEN(「E-P1」(初代機)、「E-P2」(上位版))のライト版(エントリーモデル)。
主にコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)のユーザーを狙い、デジタル一眼カメラ(デジタル一眼)のエントリーモデルとして開発した。
ユーザーが気軽に持ち歩き、手軽に使ってもらえるように小型・軽量化し、ボタンを直感的に分かりやすくかつ大きめにするなどカメラ初心者に配慮した。
→75%★5★ 製品に関する情報は「+D LifeStyle」「デジカメプラス」で:
⇒ | よりライトに、よりスマートに――「OLYMPUS PEN Lite E−PL1」(ITmedia +D LifeStyle) |
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⇒ | 写真で見る、小さい“デジタルPen”「OLYMPUS PEN Lite E−PL1」(ITmedia デジカメプラス) |
⇒ | 専門用語なしで一眼の仕上がり、小さい“デジタルPen”「OLYMPUS PEN Lite E−PL1」(ITmedia デジカメプラス)く |
さて、このカメラのメカ設計(ボディ)を担当したのは、オリンパス イメージング(以降、オリンパス) 開発本部 商品開発部 商品開発2グループの高瀬 正美氏。同氏は過去に、デジタル一眼で発売当時、世界最小・最軽量とうたわれた「E-410」「E-620」などにも携わっている。社内では、「小型化・軽量化ならこの人!」といわれているとか……!
「E-500でメカ設計のリーダー、E-620で設計全体を見るリーダー(PL:プロダクトリーダー)を務めました。今回のE-PL1でも、PLでした」(高瀬氏)。
今回はそんな高瀬氏に、E-PL1のメカ設計(筺体設計)について語っていただいた。
2008年、 E-P1を設計していく過程でPENのライト版の案が生まれ、2009年の春ぐらいにはそのコンセプトが固まってきたという。この後、具体的な設計に着手した。
そこで高瀬氏たちに求められたミッションは、さらなる小型化および軽量化だった。もともと、 E-P1/E-P2も、筐体サイズのムダを省いた高度な設計をしていたため、スペースに余裕があったわけではない。さらにその中で、ポップアップフラッシュ(ストロボ)の搭載が求められ、筺体内のスペース的にはますます厳しく追い込まれた。しかも、製品リリースまでに与えられた時間も短い。ここで高瀬氏の経験とその手腕がいかんなく発揮されることになる。
「オリンパスの派生機種では、なるべく『共通構成』を流用していきます。部品の形状や大きさなどは、それぞれの機種に合わせて異なるのですが、部品構成(概念)そのものが共通化されています。そうすることで、設計時間も大幅に短縮できるのです」(高瀬氏)。つまり、E-PL1でも、この共通構成という制限下で、部品を小さく、かつ軽くしていかなければならない、ということにもなる。
ここで高瀬氏に、実際のE-PL1の中身を見せていただいた。案の定、かなりぎっしり
E-P1/E-P2と比較し、横幅については約6mm小さくなったという。数字で見るととても小さな差だが、手に持って比較してみると、持った感じが確実に異なる。先にも説明したように、設計では基本的に共通構成を使うため、その範囲での地道な部品のやりくりで、少しずつ少しずつ、小さくしていくしかない。
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