地道に小さく! オリンパスのPEN Lite E−PL1隣のメカ設計事情レポート(6)(2/3 ページ)

» 2010年04月02日 00時00分 公開
[小林由美@IT MONOist]

 横幅を少しでも小さくするために、例えばコネクタ収納部のふたについては、ふた形状そのものを見直すだけではなく、開閉をヒンジピン式から携帯電話などでよく使われるスライド式へ変更。この変更が横幅寸法に大きく寄与した(約3mmの削減)とのこと。

 また、シャッターの駆動ユニットも見直した。駆動モータを小型化し、さらにギアのレイアウトや部品数を見直したことも横幅の大きさに寄与している(約3mmの削減)。

コネクタ部の比較 左がE-P2、右がE-PL1

 高さ方向は、E-P1/E-P2と比較すると少し高くなってしまったが、(突起物を含まずで)約2mmプラスにとどめた。共通構成を使いながら、フラッシュのユニットとアクセサリ用のシュー(金具)などが付いたため、どうしてもこれが限度だったとのこと。「レンズの位置や大きさ(最大径)が決まっているため、レンズにフラッシュ光がケラレない位置までフラッシュを上げる必要がありました」(高瀬氏)。このポップアップフラッシュは、メカ設計で最も苦労したところで、検討にも一番時間をかけたという。まずは3次元CAD上でレイアウト検討してから、実現可能な案を選び出し、実機試作もしたとのことだ。

 フラッシュ用のコンデンサは、グリップ部の下に2本入っている。2つに分けることで厚さ(奥行き)方向の寸法に負担を掛けないようにした。

 実は、厚さ方向について大きく貢献したのは、電気基板設計だという。従来機種のパターンでは、フラッシュが付くという時点で1枚、手ブレ補正機構が付く時点で1枚。最低2枚の基板が余計にかさばる計算となる。それを今回は増やすことなく、基板たった1枚に収めた(最低3枚分)という。電気設計担当が、部品選定とレイアウトで地道に工夫してくれたとのことだ。

外形寸法の比較(幅×高さ×奥行き 突起部含まず)

  • E-P1:120.5mm×70.0mm×35.0mm
  • E-P2:120.5mm×70.0mm×35.0mm
  • E-PL1:114.6mm×72.2mm×41.5mm

 E-PL1の外形寸法については、横幅以外は、残念ながらE-P1/E-P2と比べて若干大きくなってしまう結果となった。しかし、部品がひたすらかさばる中、最大で約6mmプラス(奥行き)程度に収まったことは、やはり高瀬氏の手腕故といえるだろう。

軽量化について

 E-PL1の筺体重量は(本体のみで)296グラムで、300グラムを切り、E-P1/E-P2と比べ、と比べ、約40グラム軽くなった(E-P1、E-P2ともに約335グラム)。

 上記で説明した地道な小型化が、地道に軽量化へもつながっていく。軽量化をするには、部品点数を減らす、大きさそのものを小さくするなどもそうだが、何より一番効くのは、材料変更だという。「今回は、筺体の一部にプラスチックを採用し、軽量化しました」(高瀬氏)。E-PL1筺体の前面パネルはアルミ、背面パネルはプラスチック(PC:ポリカーボネート)とした。筺体パネルのように大きめな部品がプラスチックになれば、重量削減効果も大きい。

ポップアップフラッシュ

 筺体の前後で材質が変わったことにより、塗装の色合わせも苦労したという。また当然、材料が違えば、違う塗装法で行うことになる。プラスチックは色出しに影響しにくいようグレー系のポリカーボネートを採用した。

 撮像素子の手ブレ補正機構にも、一部プラスチック部品を採用している。写真の黒い枠の部分が、プラスチック。従来製品は金属部品だった。しかし剛性も大きく損なってはいけない部分なので、ベース板は金属とした。この材料変更も、重量低減に大きく寄与したとのことだ。

撮像素子の手ブレ補正機構

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.