「Kinect Fusion」による3Dスキャンを徹底解説Kinectで3Dスキャンして3Dプリントを楽しもう(2)(3/6 ページ)

» 2015年08月03日 10時00分 公開
[中村薫MONOist]

3Dスキャン

「Kinect Fusion」を起動する

 3Dスキャンをするには、Kinect for Windows Developer Toolkit Browser v1.8.0およびSDK Browser (Kinect for Windows) v2.0にある、「KinectFusionExplorer-WPF」を使用します。先ほどのColor Basics-WPFと同じように、Samples: C#からKinectFusionExplorer -WPFを探して、[Run]をクリックします。

 KinectFusionExplorerが起動したら、以下の設定値を変更します。この設定値にすることで約50cm角をカラースキャンでき、スキャンした3DモデルをPLYファイル形式で保存できます。3Dモデルを保存する際は、[Create Mesh]ボタンを押します。

  • 「Actions」欄で[PLY]を選択
  • 「Image Options」欄で[Capture Color]にチェック
  • 「Volume Voxels Per Meter」欄の値を「512」に変更
  • 「Volume Voxels Resolution」欄の値をそれぞれ「256」に変更
  • 「Actions」欄で[Reset Reconstruction]をクリックし、スキャンをリセット
  • スキャンが完了したところで、「Actions」欄の[Create Mesh]をクリックして、3Dモデルを出力する
「KinectFusionExplorer」の起動画面 図10 「KinectFusionExplorer」の起動画面

 ここで、KinectFusionExplorerの各パラメーターについて整理しておきます。

  • Actions
    • Create Mesh:下のラジオボタンで選択されたファイル形式(STL、PLY、OBJ)で3Dモデルを出力する。なお、カラーデータが出力されるのは、PLYフォーマットのみとなる
    • Use Camera Pose Finder:スキャン対象を見失ったときに探すかどうか
    • Reset Virtual Camera:プレビューされているカメラの位置をリセットする
  • Image Option
    • Capture Color:カラー情報を取得するかどうか
    • Pause Integration:スキャンを一時停止するかどうか
    • Kinect View:視点をKienctからにするか、空間内のカメラにするか(空間内のカメラにした場合、[Reset Virtual Camera]で位置が戻る)
    • Mirror Depth:DepthデータのX座標を反転させるかどうか
    • Volume Graphics:撮影範囲を可視化するかどうか
  • Depth Threshold
    • Min:Depthの撮影範囲の最小値(この位置より遠い場所をスキャン対象にする)
    • Max:Depthの撮影範囲の最大値(この位置より近い場所をスキャン対象にする)
  • Volume Max Integration Weight:ボクセルの時間単位の平滑化パラメーター。値を大きくするとノイズに強くなるが、移動に弱くなる
  • Volume Voxels Per Meter:1メートル当たりのボクセル数
  • Volume Voxels Resolution
    • X Axis:X軸のボクセル数
    • Y Axis:X軸のボクセル数
    • Z Axis:X軸のボクセル数

 撮影範囲は、以下の式で求められます。

撮影範囲 =
Volume Voxels Resolution / Volume Voxels Per Meter

 つまり、ここで紹介した設定の場合、Volume Voxels Resolutionがそれぞれ「256」、Volume Voxels Per Meterが「512」なので、256/512=0.5(m)となり、50cm角のデータが3Dモデル化されます。

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