パナソニックは2016年3月期(2015年度)第1四半期の決算発表を行った。国内の住宅不況の影響などから不振となった事業は存在するものの「各事業ともにほぼ社内計画としては目標を達成」(パナソニック 代表取締役専務 河井英明氏)する結果となった。
パナソニックは2015年7月29日、2016年3月期(2015年度)第1四半期(2015年4〜6月)の決算を発表した。第1四半期の業績は、売上高が前年同期同等の1兆8578億円、営業利益は同7%減の766億円、税引前利益は同32%増の727億円、当期純利益は同57%増の595億円、という結果となった。
セグメント別では、売上高は車載・産業向けおよび、ソリューション事業などが好調だった。営業損益では、産業向けやソリューション事業が増益となった一方で、国内住宅市況の回復が遅れたため住宅関連やソーラー関連が減益となった。ただ、全般的には好調な第1四半期だったといえるようだ。
パナソニック 代表取締役専務 河井英明氏は「事業によっては前年同期に向けて実績を落としたものや、赤字が残っているものなどがあるが、全体的に見てほとんどの事業が社内計画を達成した結果となった。2015年度として順調なスタートが切れた」と手応えについて語っている。
パナソニックでは、2014年度までの3カ年計画では事業構造改革を中心に事業運営を行い、売上高よりも収益性を重視した取り組みを進めてきた。しかし収益改善が進んだ結果、2018年度の10兆円の目標に向け2015年度から売上高拡大に向けた取り組みを本格化させる。2015年度は営業利益率5%以上の達成と、売上高成長による利益創出の推進の2つを大きな方針に掲げ、売上高8兆円、営業利益4300億円(営業利益率5.4%)を目標としている※)。
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この目標についても河井氏は「全体的に下期の方に売上高や利益が多く出る体質となっているため第1四半期の結果としては見えにくくなっているが、今後の見通しについても順調に進んでいる」と述べている。
2015年度に新たに定めた「エアコン」「ライティング」「ハウジングシステム」「インフォテインメント」「二次電池」「パナホーム」の重点6事業についても基本的には順調だとしているが、特にエアコン事業が好調だという。「エアコン事業は中国は落ち込んだものの、ASEANや中近東が好調で、大きく成長した」(河井氏)。
不調だった住宅関連事業やソーラー関連事業については「市場全体の需要が低迷した影響を受けた。ソーラー事業については国内で固定価格買取制度(FIT)の買い取り価格が下がった点や出力抑制などから市場のマインドそのものが落ち込み、需要が7割程度になった。しかし、市場の根本的な需要は衰えておらず第2四半期以降は戻ってくると見ている。市場環境を正しく認識してもらう活動なども進めていき、市場環境そのものを盛り上げていく。ソーラー事業そのものは収益性などで健全な状況を続けており、フル生産を続けている。増産に向けての設備投資の予定も変更はしない※)」と河井氏は話している。
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