金属アーチファクトを低減できるトモシンセシスアプリケーションを発売医療機器ニュース

島津製作所は、同社のX線TVシステム「SONIALVISION G4」向けに、金属アーチファクトを大幅に低減できる独自のトモシンセシスアプリケーション「T-smart」を発売した。

» 2015年06月30日 08時00分 公開
[MONOist]

 島津製作所は2015年6月17日、同社のX線TVシステム「SONIALVISION G4」向けに、金属アーチファクト(金属による影のような画像の乱れ)を大幅に低減できる独自のトモシンセシスアプリケーション「T-smart(Tomosynthesis-Shimadzu Metal Artifact Reduction Technology)」を発売した。これまで「SONIALVISION safire」向けに販売していたもので、人工関節置換術後の評価に有効だという。

 一般的に人工関節の耐用年数は10年から20年とされ、手術後はX線検査などによる定期的な経過観察が必須となる。しかし従来のX線検査装置では、透過画像による観察のため、人工関節との境界線が不明瞭になったり、硬く大きな金属部品の使用時に発生する金属アーチファクトを十分に低減処理できないという問題があった。

 T-smartは、金属分離と逐次近似法を併用したトモシンセシス画像再構成方法を採用。金属部とそれ以外の部分を分離し、各画像に対して、作成した断層画像と収集した画像の誤差、金属アーチファクトの影響度を逐次計算して修正処理することで、従来法に比べて金属アーチファクトを大幅に低減した。金属の影響を受けずに骨の状態を把握できるため、人工関節置換術後の評価や骨折部の金属固定状態の経過観察にも効果があるという。

 専用ワークステーションを含むT-smartの価格は、3800万円(税別)となる。同時に、SONIALVISON G4の追加機能として、6インチ視野時の高精細モード、通常の半分の線量の曝射でトモシンセシス画像を得られる低線量トモシンセシスモード、断層画像を上下・左右方向に最大±20°まで傾けて再構成・表示できる機能もそろえた。

photo T-smartを用いた撮像画像

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