実はNECには、今回の「NEC Industrial IoT」を実施するにおいて、土台となった取り組みがある。それが、2012年10月に開始した「ものづくり共創プログラム」だ。ものづくり共創プログラムは、NECが行ってきた生産革新やサプライチェーン改革のノウハウを、「モノづくり・業務プロセス」とそれを支える「ITシステムおよびアセット」という2つの視点から提供するもの。モノづくりのプロセス改革やITシステムの導入、コンサルテーション、モノづくりのノウハウ提供まで、一貫して支援できる点が特徴となる(関連記事:モノづくりを丸ごとサポート!――NEC、「ものづくり共創プログラム」を出展)。
同プログラムは、顧客となる製造業同士のコミュニティー活動もポイントとなっており、参加企業同士の工場見学や問題解決案の話し合いなどの活動を進めている。既に2015年5月末時点で562社、1471人が参加し「2015年度(2016年3月期)末には1000社、3000人まで増やすことを目指す」(松下氏)としている。
ものづくり共創プログラムはもともと、NECの製造業としてのノウハウと、同社が提供するICTを組み合わせて提供するという点がポイントだが、新たに取り組むNEC Industrial IoTも大きな枠組みとしては同様となる。ものづくり共創プログラムの会員などから得た生きた情報やニーズを基に、NECが持つ「IoTの技術力」および、数多くの生産革新活動に取り組んできた「製造業としてのノウハウ」を組み合わせることで、新たに「IoTを活用した次世代モノづくりソリューション」を体系化し、一貫提供できるようにするのが「NEC Indurtrial IoT」となる(図3)。
個々に提供するものは、NECが今までも個別のソリューションとして提供してきたものだが「IoTを切り口に、コンサルテーションから最終導入まで一貫して提供できるようにするということころがこれまでとの違いとなる」と松下氏は述べる。
では、具体的にはどのような取り組みになるのだろうか。
「NEC Industrial IoT」で目指すものは先述した「理想の次世代モノづくりの姿」を体現するもので、「グローバルの生産プロセス改革」と「グローバルでのトレーサビリティ実現・品質向上」「新製品/サービスの創出力強化」の3つを目指すという。さらにこれらの3つのポイントを具体的に掘り下げると以下のポイントになる(図4)。
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