アジア・コンポジット・センターには、東芝機械の型締め力550トンの射出成形機「EC550SX」、熱可塑性プリプレグをはめたフレームを搬送するABBのロボット、熱可塑性プリプレグを加熱する赤外線ヒーターなどが導入されており、ドイツ本社と同じ仕様になっている。熱可塑性プリプレグを使った繊維強化複合材部品を一貫プロセスで試作でき、その時間も極めて短い。
アジア・コンポジット・センターの装置構成。写真奥側に射出成形機があり、その手前のロボットで熱可塑性プリプレグをはめたフレームを搬送する。フレームの横にある装置が赤外線ヒーターだ(クリックで拡大) 出典:BASFジャパンプロセスは大まかに3段階に分けることができる。まず熱可塑性プリプレグをはめたフレームを赤外線ヒーターに入れて、240℃の温度で約30秒加熱する。次に加熱した熱可塑性プリプレグを射出成形機の金型にセットして、射出成形用ペレットでオーバーモールディングする。時間は1分間。金型から成形した部品を取り出せば、繊維強化複合材部品の完成だ。ロボットによる搬送時間を含めても3分以内で試作が完了する。
これだけ短時間で試作できることから「小規模の量産も可能だ」(同社)。また金型については、Ultracom向けに特殊な設計を行う必要はなく、通常の射出成形と同じだという。
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