抵抗とコンデンサを組み合わせて作る回路を「RC回路」と言います。その代表として、「ハイパスフィルター」と「ローパスフィルター」があります。その名前の通り、ハイパスフィルターは高い周波数の成分を、ローパスフィルターは反対に低い周波数の成分を通す仕組みです。
この用語は、オーディオが好きな人なら聞いたことがあるかもしれません。ツイーターとウーハーの2つ(ないし3つ)を組み合わせてスピーカーを構成する場合、それぞれにハイパスフィルターとローパスフィルターをかけてネットワークを作ります。
このほか、デジカメでも同じ用語が使われるのですが、この場合は、光学フィルターで周波数の高い紫外線などをカットする、あるいは低減するといった機能を紹介する際に登場します。ただし、今紹介している電子工学的な意味とは異なります。
ローパスフィルター、ハイパスフィルターについて本格的に解説する場合、円周率のπや平方根だけでなく、どうしても三角関数や指数関数、ことによると微分・積分方程式や虚数単位i(!)まで登場することになります。そこまで難しいことは別に調べていただくとして、ここではそれぞれのグラフがどのように描かれるのかを知っておけばよいでしょう。
ただし「カットオフ周波数」という言葉と、そこを分岐点として利得(ゲインともいいます。単位は「dB」:デシベル)が下がっていくことだけは覚えておきましょう。dBもちゃんと理解しようとすると結構大変ですが、ここでは電圧/電力の入力と出力の比、くらいにとらえておけばOKです。
さて次は、いよいよトランジスタの項目に入ります。この連載も佳境です。
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