三菱自動車が「第85回ジュネーブ国際モーターショー」で披露する小型プラグインハイブリッドSUVのコンセプトカー「XR-PHEV II」は、歴代「パジェロ」を継承・進化させたデザインとなっている。出力120kWのモーターを前輪側に配置したFFタイプの車両だ。
三菱自動車は2015年2月25日、「第85回ジュネーブ国際モーターショー」(一般公開日2015年3月5〜15日)において、新開発のプラグインハイブリッド(PHEV)システムを搭載する小型SUVのコンセプトカー「MITSUBISHI Concept XR(Crossover Runner)-PHEV II(以下、XR-PHEV II)」を初披露すると発表した。同年1月末に予告していた車両である(関連記事:「XR-PHEV」を具体化したプラグインハイブリッドSUV、世界トップの低CO2排出量)。
XR-PHEV IIは、アウトランダーPHEVに次ぐ同社のプラグインハイブリッド車の第2弾を想定したコンセプトカーである。2013年11月の「東京モーターショー2013」で発表した「MITSUBISHI Concept XR-PHEV」を、より量産を意識して仕上げたものだ(関連記事:三菱自のプラグインSUVコンセプト、車室中央にタッチパネルテーブルを設置)。
XR-PHEV IIは、車名に入っている「クロスーオーバー」の名の通り、都市型クロスオーバーSUVに最適な、小型・軽量・高効率のPHEVシステムを新たに搭載している。CO2排出量は、プラグインハイブリッド車でトップとなる40g/km以下に抑えられるという。なお、アウトランダーPHEVのCO2排出量は44g/kmである。
XR-PHEV IIの外形寸法は全長4490×全幅1890×全高1620mmで、ホイールベースは2670mm。全長はCセグメントクラスに収められているのに対して、全幅はアウトランダーPHEVの1800mmよりも広くなっている。乗車定員は4人だが、量産時には全幅の調整を含めて5人乗りに変更されるとみられる。
車両のフロントフェイスは、歴代「パジェロ」のデザインを継承・進化させた。バンパー両サイドのプロテクター形状を中央方向へ拡張し、アンダーガードを下から中央方向へ拡張することで「人と車を保護する新しい盾のカタチを表現した」(同社)という。このデザインの方向性から言っても、量産車になる際には「パジェロPHEV」となる可能性が高い。
新開発のPHEVシステムは、エンジン、新開発のモーターとジェネレーター、そして新型パワードライブユニットをフロントに搭載したFFタイプで、低重心化に貢献するようリチウムイオン電池パックを床下に配置した。モーター出力は120kWで、リチウムイオン電池パックの容量は12kWh。
アウトランダーPHEVも合計のモーター出力は同じだったが、前輪側と後輪側にそれぞれ出力60kWのモーターを配置し、四輪駆動システムとして利用できるようにしていた。XR-PHEV IIの場合、前輪側に出力120kWのモーターが搭載されることになる。
このためXR-PHEV IIは、モーターだけで走行するEV走行が基本となる。ただし走行状況に合わせて、エンジンとモーターの両方を駆動に使うパラレル走行、エンジンで発電した電力を使ってモーターで走行するシリーズ走行なども自動で選択する。
なお、XR-PHEVで、排気量1.1l(リットル)の直列3気筒直噴ターボチャージャー付きとしていたエンジンについては、XR-PHEV IIでは明らかにされていない。
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