先述した通り、ジェイドは独身のプレファミリー層と既に子育てから離れた中高年層とをターゲットとしている。ホンダはこうした2つの異なるターゲットに向けて、ジェイドのエクステリア/インテリアデザインをどういったコンセプトで開発したのか。ホンダの説明員は「とにかく上質感や、流行に左右されない本物らしさを表現することを意識した。安っぽいくない“本物”であれば、若いユーザーと年配のユーザーのどちらにでも訴求できると考えた」としている。
ホンダのカーラインアップにおけるジェイドの位置付けは、既に生産が終了している先代の4代目「オデッセイ」や「ストリーム」の後継車になるという。現行の5代目となるオデッセイは、2013年10月のフルモデルチェンジで全高が従来モデルの1545mmから1695mmへと引き上げられるという、大きな仕様変更が行われた。これにより、一般的な立体駐車場の1550mm制限には対応できなくなっていた。
ホンダの説明員は「先代のオデッセイのように、1550mm制限に対応したミニバンが欲しいというユーザーは多い。しかし、ジェイドはただ単にそういったニーズに応えるのではなく、とにかく『カッコいいクルマ』を作ろうというコンセプトだった。大型のミニバンなど、ファミリーカーとして利用されるクルマなどは、どうしてもカッコよさより機能面が重要になる。ジェイドは機能面を充実させつつも、とにかく“カッコいいクルマを作ること”にフォーカスした」としている。
また、ジェイドの位置付けについて開発責任者である印南氏は「先代のオデッセイや、ストリームには根強いファンの方が多くいる。その中にはこの2車種の機能面だけでなく、“走り”の性能を気に入ってくれている方も多い。ジェイドはそういったファンの方に乗っていただいても満足してもらえるレベルの走行性能に仕上がっている」と語った。
ホンダはジェイドの月間販売目標台数を3000台としている。会見に登壇したホンダ 専務執行役員の峯川尚氏は「JADEは英語で翡翠を意味している。宝石のような美しさに加え、普遍の価値を持つ新しい時代のニーズに応えるクルマという思いを込めた。現在ミニバンを利用しているユーザーだけでなく、ステーションワゴンやセダンに載っているユーザーにも受け入れてもらえるのではないか」と語った。
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