築17年。千葉県野田市のリフォーム済み中古住宅。この普通の2階建てに、200個のセンサーがあったら生活はどう変わるか。 LIXILの考える「住生活の未来」の一部が紹介された。
何の変哲もない2階建ての住宅に、200個のセンサーがあったら生活はどう変わるか――。「ヒト・モノ・イエが情報で結びついた、住生活の未来」を研究する施設、LIXILの「U2-Home(ユースクウェアホーム)」が報道関係者に公開された。
このU2-Homeは一見すると普通の2階建て住宅だが、200個余りのセンサーが宅内外の至る所に設置およびネットワーク化されており、屋内外のさまざまな情報を収集し、居住者の快適さを高めるアイデアの研究を行っている。この住宅の延べ床面積は1階2階を合わせて137.2m2なので、1m2あたり約1.5個のセンサーが設置されていることになる。
設置されたセンサーは温度、湿度、照度、人の動き、ドアの開閉、キッチン蛇口の開閉など室内の環境および状態を把握するだけではなく、室外に設置されたセンサーからは外気温や風向き、照度、紫外線、PM2.5、ホコリ/花粉などの情報も取得する。こうして取得した情報は「住空間タッチパネル」と名付けられた、住宅各所に用意されたタブレット端末に表示され、その情報に沿ったアクションもこの端末から行える。
これだけのセンサーを設置して情報を収集することで、住人にどのようなサービスや利便性を提供できるか。幾つかの例が紹介された。
いずれも現在のカタチでは「あったらいいな」レベルというのが正直な感想だが、例えば浴室リフォームの際、「給湯操作のパネルから、湯温と浴室、脱衣所の温度が分かるものを設置しますか」と言われたら値段次第でイエスと答えてしまうだろうとも思う。居住者の細かな要望に応える方法を提供するその手段として、住環境の精密なセンシングは欠かせないのだ。
同社では住環境のセンシングによって得られた情報を「人への伝達」「住環境の制御」「高度な利用」の3段階で活用していくことを検討しており、タブレット端末への情報表示を実現した本施設はまさにその第1〜第2段階にあるといえる。なお、本施設は基礎実験施設と位置付けられており、導入するセンシング技術や無線/ネットワーク技術についても現時点での導入形態が最終形ではなく、今後も変化していくとしている。
ただ、新築住宅へトータルシステムとして導入するならばとにかく、「照明管理だけ入れたい」「見守り系だけ」「室温温度チェックと表示だけ」「浴室まわりだけ」など部分的なへの導入も想定されることから、単一のネットワークシステムではなく、複数のネットワーク技術を組み合わせての実装を研究しているという。
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