英ARMが次世代モバイル機器向けCPUコア「Cortex-A72」を発表した。Coretex-A15比で3.5倍の能力を持ち、消費電力も削減した。同社はGPUなども合わせて発表し、「2016年のモバイル機器」に力を入れている。
英ARMは2015年2月3日(現地時間)、次世代モバイル機器向けCPUコア「Cortex-A72」を発表した。HiSiliconやMediaTek、Rockchipなどが既にライセンス契約を締結しており、2016年には同製品を採用したスマートフォンやタブレットが登場する見込みだ。
Cortex-A72は16ナノメートルFinFETプロセスを用い、2.5GHzの高クロック動作が行える他、Coretex-A15ベースのデバイスに比べて3.5倍の処理能力を持つ。同時に低消費電力化も進められており、「2014年のデバイスにくらべて75%の消費電力削減を実現した」(同社)という。また、64ビット拡張を含む命令セットアーキテクチャである「ARMv8-A」の採用により、32/64bitアプリをサポートする。
GPU「Mali-T880」も発表した。現行製品「Mali-T760」よりグラフィックス性能を1.8倍向上させ、消費電力を40%削減した他、10ビットYUVをネイティブサポートしており、4K映像にも適するとしている。また、キャッシュコヒーレントインタコネクト技術の「CCI-500」は同社省電力技術「big.LITTLE」での処理に対応し、また、既存「CCI-400」に比べてピーク時のメモリ帯域幅増も図られており、省電力化とメモリ性能向上に貢献する。
同社では「Cortex-A72」「Mali-T880」「CCI-500」と、16ナノメートル FinFETに最適化したPOP(Process Optimization Pack)IP提供を合わせて「Premium Mobile Experience」と呼んでおり、モバイル機器であっても快適な4K映像視聴/撮影、コンソールゲーム機クラスの処理能力とグラフィック性能、それにスマートフォンでの自然言語UIの実装などを実現するとしている。
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