ARMが発表したIoT向けOS「mbed OS」はそれを支えるプラットフォームとともに開発が続けられており、2015年10月のリリースを目指している。これまで発表された情報を基に、mbed OSの詳細と現在の動向についてお伝えする。
英ARMは2014年10月に開催したカンファレンス「ARM TechCon 2014」にて、IoTのエンドデバイスOS「mbed OS」を開発中であることを明らかにした(ARMが「mbed OS」で伝えたいメッセージ)。
その後も着々と作業は進んでおり、2014年12月14日にはパートナー企業に対してAlpha 1がリリースされている。そしてAlpha 2/Alpha 3を経て2015年8月15日にはBetaがリリース予定である(Photo00)。製品版であるmbed OS v3.0のリリースは同年10月15日となっており、そこまで試すことはできないのだが、これまでの情報をベースに、もう少し詳細を紹介したいと思う。
「mbed OS」と「mbed Device Server」で構成されるmbedプラットフォームはそもそも「エンドデバイスをクラウドにつなぐ事を容易にする」ためのものであるが(Photo01、02)、問題はその規模である。
あるエンドデバイス1台だけをつなげるケースもあるだろうが(Photo03、04)、実際にはもっと多数のエンドデバイスが接続される事を想定するほうが一般的と考えられる(Photo05)。当たり前ではあるが、エンドデバイス側はそうしたスケールは無関係なので、このスケーラビリティはmbed Device Serverが吸収する形になる。
さて、ではそのmbed OSとmbed Device Serverはどんな形になるか?という話である。
このスライド(Photo06)は前回の記事でも示したものだが、mbed OSの内部構造をまとめたものである。ただmbed OSはこの全部がロードされるわけではなく、アプリケーションの構築の際に、必要となるモジュールのみをリンクするような形で利用する模様だ。つまりRTOSというよりは、もっと薄い、ミドルウェアライブラリとかネットワークスタックに近い形での提供となると思われる。
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