イタリアの車載部品サプライヤを買収、カーエレOEM事業の成長を加速車載情報機器

JVCケンウッドは、欧州の自動車メーカーを中心に車載スピーカーやアンプ、アンテナなどを開発/販売するイタリアのティア1サプライヤ・ASK Industriesを買収する。買収金額は2億5100万ユーロ(約36億7800万円)で、2015年4月付けで100%子会社化する予定。

» 2015年02月03日 15時00分 公開
[MONOist]

 JVCケンウッドは2015年1月30日、欧州の自動車メーカーを中心に車載スピーカーやアンプ、アンテナなどを開発/販売するイタリアのティア1サプライヤ・ASK Industries(以下、ASK)を買収すると発表した。ASKの株主から全株を2億5100万ユーロ(約36億7800万円)で譲り受け、2015年4月付けで100%子会社化する予定だ。

 1967年創業のASKの主要取引先は、Volkswagen(フォルクスワーゲン)グループやDaimler(ダイムラー)グループ、Fiat(フィアット)グループ、BMWといった欧州の自動車メーカーである。また、Bang&Olufsen(B&O)などのオーディオ関連機器メーカーも顧客となっている。欧州の車載スピーカー市場では第2位のシェアを持つ有力サプライヤだ。2014年12月期の連結業績(監査前)は、売上高が前年度比8%増の216億1400万円、営業利益が同91%増の9億3500万円となっている(1ユーロ146.54円で換算)。

 JVCケンウッドは、ASKの買収により、同社が持つ欧州の自動車メーカー向けの販路を使って、カーナビゲーションシステムやカーオーディオなどの車載情報機器の提案が可能になる。JVCケンウッドのカーエレクトロニクス事業のうち、自動車メーカーに直接製品を納入するOEM事業の比率は2014年3月末の時点で43%まで拡大している。今回のASKの買収により、OEM事業の比率をさらに伸ばせるようになる。

 一方ASKも、JVCケンウッドが持つ日本の自動車メーカー向けの販路を活用して販売を拡大できる。両社の開発/技術/生産に関わる資産の有効活用にるって、開発期間の短縮やコスト削減も図るとしている。

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