ミニバンからスポーツカーまで、新たな価値を生み出すクルマ作りの本質:オートモーティブワールド2015 基調講演リポート(4/4 ページ)
山口氏はこうした過去の開発事例の他、現在の“新価値商品”の開発に対する取り組みとして、ホンダの社員からアイデアを募る「アイデアコンテスト」を紹介した。ホンダの小型モビリティ「UNI-CUB」や、2015年内に発売を予定している軽スポーツカー「S660」は、過去に社内で行われていたアイデアコンテストの文化を基に生み出されたという。
「過去にホンダの社内で行われていたアイデアコンテスト、通称“アイコン”は、若手を中心とした新商品企画という形で現在も受け継がれている。その一例と呼べるS660は、23歳の若手社員のアイデアをそのまま具現化したプロダクトアウト型の製品。近いうちに発表を予定しているので楽しみにしていただきたい」(山口氏)。なお、同社がS660と同様にプロダクトアウト型の製品とする車両には、2014年12月発売の軽自動車「N-BOX SLASH」がある(関連記事:プロダクトアウト型製品の「N-BOX SLASH」、競合は存在せず)。
ホンダが2013年に発表した軽スポーツカー「Honda S660 CONCEPT」の外観(左)とフロントシート部分(右)。「ビート」の後継車になると見られている(クリックで拡大)出典:ホンダ
山口氏は講演の最後に、今後のホンダの技術開発の展望として、同社が「運転する楽しさと世界トップクラスの燃費を両立させる」をコンセプトとする「Earth Dreams Technology」に基づき、パワートレインに関する新技術の開発に注力していく方針を示した。また、クラウドやビッグデータなど、クルマに関するIoT(モノのインターネット)分野のサービスについては「GoogleやAppleなどとも上手く協調しながらサービス展開を図っていきたい」とし、燃料電池車に関しては「遅れてはいるが、われわれも提供していきたい」と語っている。
- ホンダがエンジン開発に注力する理由
東京ビッグサイトで開催されている技術展示会「TECHNO-FRONTIER (テクノフロンティア)2014」(2014年7月23〜25日)の基調講演で、本田技術研究所 常務執行役員の大津啓司氏が「Hondaの未来の車創りと研究開発への取り組み」というテーマで講演を行った。
- 「ジェイド」は「ストリーム」の後継車ではない
ホンダはカスタムカーの展示会「東京オートサロン2015 with NAPAC」で2015年2月13日に発売予定の新型ハイブリッド車「JADE(ジェイド)」のカスタムカーを展示。同社のブースで、ジェイドの開発コンセプトについて聞いた。
- 新型「ノア/ヴォクシー」が低床プラットフォームから得た2つのメリット
トヨタ自動車は、5ナンバーサイズのミニバン「ノア」と「ヴォクシー」をフルモデルチェンジした。新開発の低床プラットフォームの採用により室内空間を大幅に拡大するとともに、ハイブリッドモデルについては「アルファード/ヴェルファイア」では実現できなかった1列目シートから2列目/3列目シートへのウォークスルーが可能になった。
- ホンダ「グレイス」は5ナンバーハイブリッドセダンを革新できるのか
ホンダは、5ナンバーサイズの新型ハイブリッドセダン「GRACE(グレイス)」を発売した。1モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD(i-DCD)」を搭載するなどしてJC08モード燃費で34.4km/lを達成。後席の快適性や、トランクスルー可能な荷室などにもi-DCDの特徴が生かされている。
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