総合科学技術・イノベーション会議が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の自動走行(自動運転)システムの研究開発プログラム「SIP-adus」は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向け、東京都内に次世代公共交通システム「ART」を導入する方針を示した。
総合科学技術・イノベーション会議が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の自動走行(自動運転)システムの研究開発プログラム「SIP-adus」は2014年11月12日、東京都内で会見を開き、同プログラムの概要を発表した。
SIP-adusのプログラムディレクター(PD)を務めるITS Japan会長の渡邉浩之氏は、「自動運転技術開発の意義は交通事故の低減とともに、“交通弱者”に対するユニバーサルサービスの提供にあると考えている。SIP-adusのadusは、automated driving for universal servicesの略であり、プログラム名でもユニバーサルサービスを強く意識した」と語る。
さらに渡邊氏は続けて、「自動運転技術の普及は、自動運転できるクルマを作ったからといって即座に受け入れられるものではない。研究開発と標準化、そして市民の理解を得た上での社会インフラの変化など、長い時間がかかるものだと思っている。この研究開発プログラムをその礎にしたい」と意気込む。
SIP-adusは、2014年5月に研究計画が総合科学技術・イノベーション会議に提出され、同年6月にSIPの対象課題の1つとして認められた(関連記事:自動運転技術開発担当PDの渡邉氏が意気込み、「国がやるR&Dの新しい形見せる」)。そこから5カ月かけて、研究開発プログラムを実施する上での詳細の詰めや人員の選定などを行った。そして、2014年11月17〜18日に開催する国際会議「Workshop on Connected and Automated Driving System」から本格的な活動を始めることになる。
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