テュフ ラインランド ジャパンは「インダストリー4.0における第三者機関の評価」をテーマに、産業サービス部 部長代理 杉田吉広氏が講演を行った。
インダストリー4.0とは、第4次産業革命を意味する言葉でドイツ政府が主導する産官学プロジェクトだ。従来の生産方法をICT活用によりスマート化し、「スマートファクトリ」の実現を目指す。サプライヤー、顧客、ビジネスパートナーなどの全ての生産情報を1つに結合し、工場が自律的な判断によって、ニーズに迅速かつ柔軟に反応して生産する姿を理想と描いている(関連記事:ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】)。
このインダストリー4.0を実現するのに必要なものについて、杉田氏は以下の4つを挙げる。
「複数の企業がネットワークに接続する環境を作るためには標準化が必須となる。また製品と製造システムの関係性はさらに複雑さを増すため、高度なシステムマネジメントが必要だ。さらにバックボーンとなるネットワークの品質はもちろん、各種システムの安全性やセキュリティの確保は重要な問題となる」と杉田氏は述べる。
特に安全性とセキュリティについては「より高度な生産システムを実現する上で今後さらに重要な要素となり得る」(杉田氏)としており、使用者や環境の安全を確保する製品安全、労働者や労働環境の安全を確保する機械安全、データの漏えいや不正アクセスからの保護などに、取り組む必要があると指摘する。
これらの安全性を確保するためにも第三者認証機関が必要だ、とするのが同社の主張だ。
「多くの企業の製品やサービスがつながり、さらにそこで安全性やセキュリティを確保するには、第三者による認証が貢献できる領域は大きくなる。将来的には『この工場で作られたものは安全だ』というスマートファクトリー認証のようなものも当社で展開できればと考えている」と杉田氏は話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.