図研の電気CAD「CR-8000」のUIが4K表示に対応、もうマルチディスプレイは不要!?実装ニュース

図研は、電気CAD「CR-8000 Design Force」の新バージョン(ver.2014.1)で、4K解像度(約4000×2000画素)の液晶ディスプレイやタブレット端末に対応する新たなユーザーインタフェース(UI)を実装した。

» 2014年09月03日 12時25分 公開
[MONOist]
4K解像度の表示を使ったプリント基板設計データの表示例

 図研は2014年9月2日、電気CAD「CR-8000 Design Force」の新バージョン(ver.2014.1)で、4K解像度(約4000×2000画素)の液晶ディスプレイやタブレット端末に対応する新たなユーザーインタフェース(UI)を実装したと発表した。

 「CR-8000」が用いられている半導体パッケージや高密度プリント基板の設計は、内容が高度化/複雑化している。例えば、製造歩留りを向上させるためにパッド接続部に曲線箇所を設けたり、ノイズの発生を低減するためにコーナー部を曲線にしたり、信号遅延を防止するためにトロンボーン形状でパターンを形成したりなどだ。同社によれば、これらの設計データの視認性を高められる高精細な4K解像度の液晶ディスプレイやタブレット端末に対する需要が高まっているという。

4K解像度の表示を使ったプリント基板設計データの表示例 4K解像度の表示を使ったプリント基板設計データの表示例(クリックで拡大) 出典:図研

 その一方で、設計開発ツールのUIはフルHD(1920×1080画素)など既存の液晶ディスプレイなどを用いることが前提になっていた。こういったUIを持つツールを4K解像度で表示すると、設計作業に必要なメニュー表示、部品属性や信号属性、チェックリストの判定結果などのテキスト情報の表示が極めて小さくなってしまうという課題があった。

 今回発表したCR-8000 Design Forceの新バージョンでは、プリント基板設計データを4K解像度で高精細に表示するだけでなく、DPI設定に合わせたサイズでテキスト情報を表示して視認性を高めるなど、従来通りの電気CADとしての使い勝手を確保できるUIが実装されている。また、複数のディスプレイを用いていた設計作業についても、4Kという高い解像度を自在に活用して同一画面上で行えるので、作業効率を高められるとしている。

「CR-8000 Design Force」の旧バージョン(左)と新バージョン(右)の表示比較 「CR-8000 Design Force」の旧バージョン(左)と新バージョン(右)の表示比較(クリックで拡大) 出典:図研

 CR-8000 Design Forceの新バージョンは、全ての4Kディスプレイ/タブレット端末に対応する仕様になっている。図研が動作確認しているのは以下の3機種4モデル。パナソニックのタブレット端末「TOUGHPAD 4K」の「UT-MB5」と「UT-MA6」、フィリップスの液晶ディスプレイ「288P6LJEB/11」、デルの液晶ディスプレイ「UP2414Q」。

 なお、CR-8000 Design Forceの新バージョンは、2014年10月16〜17日に開催される「Zuken Innovation World 2014」で展示される予定だ。

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