電気自動車(EV)ベンチャーのシムドライブは、米国コロラド州で毎年6月に開催されている自動車レース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」において、EVレースカーで内燃機関車を抑えて総合優勝することを目的としたプロジェクトを発足。同プロジェクトへの参加企業と技術者の募集も開始した。
電気自動車(EV)ベンチャーのSim-Drive(シムドライブ)は2014年7月8日、米国コロラド州で毎年6月に開催されている自動車レース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」において、EVレースカーで内燃機関車を抑えて総合優勝することを目的としたプロジェクトを発足したと発表した。併せて、同プロジェクトへの参加企業と技術者の募集も開始した。
シムドライブは、電気自動車普及協議会(APEV)が組織する「パイクスピークEVチャレンジ実行委員会」のもと、EVレースカー「E-RUNNER パイクスピークスペシャル」の開発に参加。2012〜2014年まで3年連続でパイクスピークに挑戦してきた。2012年は途中棄権に終わったものの、2013年はEVクラスで優勝。内燃機関車を含めた総合優勝を狙った2014年は、三菱自動車の「MiEV Evolution III」2台の後塵を拝し、EV改造クラスで3位に終わっている。なおドライバーは、“モンスター”の異名を持つ田嶋伸博氏が務めた。田嶋氏は、現在のシムドライブの社長でもある。
そこで、「現在のマシンの総合力では、まだ内燃機関車を超えられない」と判断したシムドライブは、2015年と2016年のパイクスピークで、内燃機関車を抑えて総合優勝できるようなEVレースカーを開発するプロジェクトを立ち上げることにした。なお、2012〜2014年のパイクスピークへの挑戦はAPEVが主体となっていたが、2015年と2016年についてはシムドライブが主体となるという。
今回開発するEVレースカーは「オールホイールドライブ(AWD)」という仕様のみだけが決められており、シムドライブが得意とするインホイールモーターの採用は前提になっていない。参加企業、技術者とも、26のカテゴリーを設定して募集する方針。
参加企業については、各カテゴリーで1社を目標としている。参加費用は1000万円で、研究開発に携わる技術者の派遣も必要になる。シムドライブは、参加企業が派遣した技術者に対する教育研修も行うとしている。
技術者については募集数の目標は設けていない。興味深いのが勤務形態で、プロジェクト専用サーバと技術者のPCをインターネットで結ぶことにより在宅勤務が可能だ。海外在住の場合でも問題ないという。「優秀な技術者に参加してもらえるように、こういった環境を用意した。『EVが内燃機関車を越える性能を証明することで、環境問題とエネルギー問題の解決を目指す』という思いを同じくする、熱い情熱と高度な技術を持った世界中の技術者からの応募を待っている」(同社)という。
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