ビジョンシステムによって取得されたワークピースの位置姿勢情報を基に、モーションコントローラがワークピースを取り出すための動作を生成。事前ティーチング(教示作業)が必要ないシステムとなっている。
知能ロボットシステムやコントローラを設計する東京大学発ベンチャーのMUJINが、リアルタイム動作生成機能搭載の次世代ばら積みピッキング知能システム「Pick Worker(ピックワーカー)」を開発した。同システムを紹介する動画を2014年6月3日にYouTubeで公開している。
Pick Workerのシステム構成は、垂直多間接型ロボット、1軸走行軸、赤外線3Dセンサー、リアルタイムMUJINコントローラからなる。動作に必要なのは、ロボット(設備)と箱のCAD登録、複数の把持ポイントの登録、ワークを置く目標位置の登録、ビジョンシステムとの接続という4ステップのみで、事前ティーチング(教示作業)も必要ない。
同システムでは、ビジョンシステムによって取得されたワークピースの位置姿勢情報を基に、モーションコントローラがワークピースを取り出すための動作を生成する。つまり、ロボットが自動で対象物のつかみ方を考え、作業を開始する。この機能は世界初で、複雑な環境でも多くの能力を発揮することができるという。
また自動干渉回避機能、クリアランス指定機能、自動特異点回避機能、自動間接リミット回避機能、スマートリカバリー機能が搭載され、箱や周辺設備にぶつかったり、ロボットの関節可動域を超えたりするこ伴い。認識に失敗してもすぐに自動リカバリーでき、安定して対象物を取り続けることができる。そのため、生産ラインを24時間稼働させることも可能だ。同社によると、すべてのロボットに対応可能で、他のシステムへの拡張も容易だとしている。
なお同システムは、2014年6月25日から東京ビッグサイトで開催される「第25回 設計・製造ソリューション展」で公開し、正式に販売を開始する予定とのこと。価格はハードウェアを除くモーションコントローラーが約300万円(税別)となっている。
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