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» 2014年06月06日 10時00分 公開

【設計初心者向け】設計ですべらない! 金型基礎知識ダイジェスト3次元ツール特訓講座「3D道場」より(3/3 ページ)

[杉本恭子,MONOist]
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残念な設計はどう変わるか

 さて、最初に見た「つっこみどころ満載」の基板ケースは、前述のポイントを抑えるとどう変わるのか。

 まず勾配が全くなかったので、抜き勾配を付ける。肉厚は一般形状もリブも一定だったので、リブの表側がヒケてしまわないようリブを細くし、勾配も付ける。

設計を見直す

 2カ所の横穴は、一方は何らかのボタンがはまると想定して、ボタンが落ちてしまわないよう丸のまま。そのためアンダーカットが必要になる。もう一方はコードを通すだけと想定して、横穴の下を抜いてアンダーカットを解消する。

 はめ込みのボス状部分は肉厚が厚く、ヒケてしまうか、ボイドが入ってしまう可能性があるので、くりぬいて肉厚を均一にする。

落合氏 試作で最初にお見せした形状で作っていると、量産向けの製品設計にすることで、かなりイメージが変わってしまう可能性があります。試作段階から金型を考慮して設計されていれば、試作が3Dプリンタであっても、切削であっても、イメージ的に変わらずに量産に移行することができます。試作の段階で量産がイメージできていると、その後が間違いなく早くなります。今は製造のサイクルタイムが短いので、全てとはいわないまでも、ある程度金型のことが考慮されていると随分違うと思います。

杉山氏 ボス部分の肉厚を均一にするためにくり抜いたことで、表にくぼみができています。このくぼみがデザイン的にNGだとすると、根本的にはめ込みの設計を変えなければなりません。例えば、細い十字のリブとそれを受けるような形状にするとか、そもそも機構自体を変えてしまうとか。「表面は平でないと困る」など、変えてはいけないことは金型の製作側に伝えておくと、後々後悔しなくて済むのではないかと思います。

落合氏 一番理想的なのは、最初の施策の段階で、金型設計が分る人か、金型屋さんを交えて打ち合わせができること。その後の工程はすごくスムーズにいくはずです。

【こぼれ話】最後にパスポートにスタンプ

 3D道場の道場生には、「パスポート」が配布されている。とても分りやすく、有意義な2時間の講座の最後には、今回の出席の印として、パスポートにスタンプが押された。このスタンプは、3Dプリンタで作ったもの。4回の講座を修了すると、晴れて「合格印」も押してもらえるそうだ。スタンプの列に並ぶ道場生たちは、ごほうびをもらう子どものようにとてもうれしそう。かなり、うらやましかった。

パスポートのスタンプ


筆者紹介

杉本恭子(すぎもと きょうこ)

東京都大田区出身。

短大で幼児教育を学んだ後、人形劇団付属の養成所に入所。「表現する」「伝える」「構成する」ことを学ぶ。その後、コンピュータソフトウェアのプログラマ、テクニカルサポートを経て、外資系企業のマーケティング部に在籍。退職後、フリーランスとして、中小企業のマーケティング支援や業務プロセス改善支援に従事。現在、マーケティングや支援活動の経験を生かして、インタビュー、ライティング、企画などを中心に活動。


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金型 | 3D | 3Dプリンタ


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