ケイズデザインラボは「第29回 設計・製造ソリューション展」(以下、DMS2018、2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)に出展。同社が販売する3Dスキャナーを中心としたリバースエンジニアリング製品を披露した。
ケイズデザインラボは「第29回 設計・製造ソリューション展」(以下、DMS2018、2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)に出展。同社が販売する3Dスキャナーを中心としたリバースエンジニアリング製品を披露した。
今、リバースエンジニアリングが注目されている。データのない大昔の金型をデータ化したり既存の製品をデータ化しそこから新しい製品を作り出したりその展開は実は幅が広い。リバースエンジニアリングを行うためには、データを取るためのスキャナーとそのデータを処理するためのソフトが必要になってくる。その両方を一連の流れで見せてくれていたのが白を基調としたシンプルなブースのケイズデザインラボだ。
「3DスキャンデータのCAD化をテーマに体験できるブースにしたかった」という話の通りスキャンからデータ処理まで実際に手に取って体験ができる。スキャンだけ、またはデータ化だけと途切れていないので、実際の業務に近い状態で体験できるのはこれから導入を検討する企業には非常に有益であるといえる。
低価格で高性能なスキャナーである「EinScan-Pro+」の専用アクセサリー「HD Prime Pack」は従来ハンドヘルドスキャン時に必要としていたマーカーの貼り付けが不要になる。スキャン速度も大幅に向上しているそうだ。
リバースエンジニアリングはスキャンして終わりではない。そのスキャンデータを処理することが必要になる。処理するためのソフトも目的によって変わってくる。「Geomagic Design X」はスキャンしたデータを編集し、CADデータ化してくれるソフトだ。測定しにくい有機的な形状にもフィットする面を作成できるため、より目的に近い形状をあらゆる情報から抽出し、効率よく3Dデータ化することが可能だ。
「freeform」はペン型触感デバイスとボクセルモデリングを組み合わせた先進的なモデリングシステムであり、スキャンしたデータを直接感覚的に修正やリデザインすることができる。
ケイズデザインラボではそれぞれの機材・ソフトの販売。3DスキャンからCADデータ化の受託業務だけでなく、導入時の社員教育まで行っている。リバースエンジニアリングの需要が多い分野の1つに「金型」があるが、同社では教育の題材としてスキャン用の金型を所有している。会場に展示されていたが、これがリバースできれば、かなりのスキルが付くのは間違いなさそうだ。
落合 孝明(おちあい たかあき)
1973年生まれ。2010年に株式会社モールドテック代表取締役に就任(2代目)。現在、本業の樹脂およびダイカスト金型設計を軸に、中小企業の連携による業務の拡大を模索中。「全日本製造業コマ大戦」の行司も務める。また、東日本大震災をうけ、製造業的復興支援プロジェクトを発足。「製造業だからできる支援」を微力ながら行っている。
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