NTTは、異なる方向から別々の映像を視聴できる映像表現技術「多指向映像スクリーン技術」を東北大学と共同で開発したと発表した。
NTTは2014年5月30日、異なる方向から別々の映像を視聴できる映像表現技術「多指向映像スクリーン技術」を東北大学と共同で開発したと発表した。
テレビ電話やテレビ会議などの映像を使った遠隔地間のコミュニケーションシステムの実現において、NTTは人物の向きを再現できる映像技術の研究開発を進めてきた。今回、この研究開発成果を基に、東北大学と連携し、観察する位置に応じて複数の映像を切り替えることができる同技術を共同開発した。
1枚のプロジェクション用スクリーンに、背面から複数台のプロジェクターで異なる映像を投影して表示。スクリーンは、複数枚の光学フィルムで構成されており、そのスクリーンによって、それぞれのプロジェクターの映像がある限られた範囲にのみ透過する。これにより、ユーザーが観察位置を変えることで、複数の映像の中から任意のものを視聴できる。
同技術は明るく、多人数が同時に利用可能で、異なる方向から別々の映像を視聴できるのが特徴。例えば、外国人が訪れる空港や駅、観光案内所などに同技術を活用したデジタルサイネージを設置することで、多言語対応の情報配信が容易に行えるという。同社はこれを「多言語観光サイネージ」として試作し、同年6月11〜13日の3日間、幕張メッセで開催される「デジタルサイネージジャパン2014」で披露する。
なお同社は、同技術を活用したデジタルサイネージ技術の商用化を、2014年度中をめどに実現したい考えだ。
利用シーン例(応用システム名) | 説明 |
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「多言語観光サイネージシステム」 | 多言語で観光案内の映像を同時に表示 |
「お好み視点パブリックビューイングシステム」 | サッカーなどユーザーが見たいエリアの映像を選択して視聴 |
「環境適応デジタルサイネージシステム」 | 通行人の導線方向に応じて異なる情報を表示 |
「色々見えてくる博物館映像システム」 | 展示物を見る角度に応じて、情報を切り替えて閲覧 |
「マルチアングルフォームビデオシステム」 | スポーツのフォームをさまざまな角度からチェック&トレーニング |
「マルチビューアーケードゲームシステム」 | ゲームの的を各プレーヤーの視点から拡大してプレイ |
表1 利用シーンについて |
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