千葉県・柏市、柏の葉アーバンデザインセンター（UDCK）、三井不動産、ストリートメディア、日本ヒューレット・パッカード（日本HP）、日本マイクロソフトは、マイクロソフトの最新組み込み機器向けOS「Windows Embedded 8」を搭載したデジタルサイネージシステム「柏の葉キャンパス駅前デジタルサイネージ」を柏の葉スマートシティに4台設置し、2013年8月1日より本格運用を開始した。

» 2013年08月01日 15時24分公開

[八木沢篤，MONOist]

　千葉県・柏市、柏の葉アーバンデザインセンター（UDCK）、三井不動産、ストリートメディア、日本ヒューレット・パッカード（日本HP）、日本マイクロソフトは、マイクロソフトの最新組み込み機器向けOS「Windows Embedded 8」を搭載したデジタルサイネージシステム「柏の葉キャンパス駅前デジタルサイネージ」を柏の葉スマートシティ（柏市・柏の葉キャンパス地域）に設置し、4カ月間（2013年4～7月）の検証期間を経て、2013年8月1日より本格運用を開始したことを発表した。

　Windows Embedded 8を搭載したデジタルサイネージは「日本初」（日本マイクロソフト調べ）。地域住民や来訪者に対し、街のエネルギーや防災、生活に関連するさまざまな情報をリアルタイムに配信するものである。現在、約70種類のコンテンツが整備されているという。

　設置されたデジタルサイネージは、場所や目的にあわせ、「タッチパネル型サイネージ」が2台、「大画面型サイネージ」が1台、「モニター式タッチパネル型サイネージ」が1台の3機種、4台が用意されている。モニター式タッチパネル型サイネージはUDCK内に設置。それ以外は、柏の葉キャンパス駅前の周辺に設置される。

「柏の葉キャンパス駅前デジタルサイネージ」。目的と設置場所にあわせ、3機種4台が設置された。左から「タッチパネル型サイネージ」「大画面型サイネージ」「モニター式タッチパネル型サイネージ」

　Webサイトの更新情報との自動連携、コンテンツ管理にストリートメディアの「ストリートキャスト」を導入。これにより、これまで各地域団体などが個別にWebサイト上で発信してきた情報を取りまとめ、日々の更新情報をデジタルサイネージ用のコンテンツとして自動加工してリアルタイムに表示させることが可能となった。具体的には、行政機関などからのニュース、交通情報、地域のエネルギー需給状況、街づくり計画、イベント予定などの情報が配信される。また、大規模災害の発生時には、緊急放送を発信する情報基盤としても機能する。ちなみに、デジタルサイネージ上に表示される情報連携・処理には、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Windows Azure」が活用されている。

　さらに、スマートフォンをかざすだけで、必要な地域情報が入手できるサービスの実現など、将来的な地域サービスの拡充・創出を視野に、近距離無線通信技術「NFC（Near Field Communication）」もサポートする。街の発展とともに、デジタルサイネージを軸とした地域サービスの展開を拡充していきたい考えだ。

主なコンテンツ例。左から周辺エリアのエネルギー需給状況を確認できる「街のエネルギー見える化」、周辺地域のイベント情報をカレンダー形式で確認できる「イベント情報」、柏市などの公式アカウントのツイートを確認できる「地域Twitterアカウント」

　今回の各者の役割は次の通りだ。情報コンテンツの提供を柏市が、情報コンテンツの企画・調整をUDCKが、デジタルサイネージの設置管理を三井不動産が、ストリートメディアがコンテンツ配信システムの開発と運用サービスを担当。さらに、日本HPがコンテンツ配信システムの開発協力を、日本マイクロソフトがデジタルサイネージ端末ソフトウェアの開発協力を行った。今後、新たな広告媒体としての活用提案も行い、継続的な運営体制の確立を進めていく方針だ。