イーソルのブースで目を引いたのが、同社が3年ほど前から独自開発している、メニーコアプロセッサ向けOS「eSOL eMCOS」だ。2014年9月末に、OSと解析ツールをセットにして、SDKとして評価版をリリースする予定だという。
計算量が膨大で、ある一定の時間内に処理が終わらないようなものを、メニーコアで短時間に並行演算させて処理する。想定するターゲットは、クルマの自動運転のために必要な画像認識やハイブリッドエンジンの制御などだ。また、半導体製造装置の制御で、微細な動きをさせながら短時間にレーザーの出力も調整するというようなFA用途にも向くとしている。
仕様上、コア数の制限はないが、実CPUでは32コア、シミュレーションでは64コアまでの動作を確認しているという。
日本マイクロソフトのブースでは、パートナー各社が最新製品である「Windows Embedded 8.1 Industry/8.1 Pro」をはじめとした、Windows Embeddedファミリーを搭載したソリューションのデモを披露していた。
菱洋エレクトロは、タブレット端末にWindows Embedded 8.1 Proを組み合わせた、製造業向けソリューションを展示。通常、生産ラインの組み立て工程では、紙の組み立て作業書が置いてあるが、指示内容が分かりにくいケースがあるという。このソリューションでは、組み合わせる部品を3Dモデル化し、インタラクティブな“グラフィックマニュアル”にすることで、組み立て順序や作業を分かりやすく表現。既に、三菱電機エンジニアリングが発売し、導入が始まっているとのことだ。
菱洋エレクトロの製造業向けグラフィックマニュアルソリューション。部品の3Dモデルデータを利用して平面図にしたり、3Dアニメーションさせたりすることで、紙のマニュアルでは実現できない“分かりやすさ”を提供する京都マイクロコンピュータは「Windows Embedded Compact 2013(WEC2013)」のソースデバッギングができる「PARTNER-Jet」を展示(関連記事:京都マイクロ、JTAGエミュレータの新版「PARTNER-Jet2」を発表)。WEC2013がSMP動作しているザイリンクスの「Zynq」評価ボードをターゲットにして、あるスレッドがどのようにコアを切り替えながら動いているか、その様子を追えるイベントトラッカー機能などのデモを行っていた。
その他、岡谷エレクトロニクスはIoTソリューションとして、富士通のAR(拡張現実)技術を活用したWindows EmbeddedタブレットによるARソリューションのデモを披露していた。
日本マイクロソフトのブースで岡谷エレクトロニクスが展示していた、Windows EmbeddedタブレットによるARソリューションのデモ。富士通が開発したAR技術を使っている。タブレット端末のカメラをARマーカーにかざすと関連付けられた情報を画面上にビデオ画像と重ねて表示する。現場で入力したデータを即座に情報システムに送って共有できるという
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