新型「パッソ」は、新型エンジンの搭載により、ガソリンエンジン搭載登録車でトップとなる燃費を達成。デザインも大幅な刷新を図った。その一方で安全機能は、横滑り防止装置や「緊急ブレーキシグナル」を標準装備したものの、自動ブレーキに代表される運転支援システムの搭載は見送っている。
トヨタ自動車は2014年4月14日、東京都内で会見を開き、大幅な改良を加えた小型車「パッソ」の新モデルを発表した。同年4月10日発表の「高熱効率・低燃費エンジン群」(関連記事:トヨタの新開発アトキンソンサイクルエンジン、「マツダやホンダより高性能」)を搭載する第1弾車両となる。新型パッソが搭載するのは、最大熱効率約37%を達成した排気量1.0l(リットル)の直列3気筒ガソリンエンジンで、JC08モード燃費は従来比で30%の向上となる27.6km/lを達成した。これは、三菱自動車の「ミラージュ」を抜いて、ガソリンエンジン搭載登録車でトップとなる。税込み価格は、男性向けを想定した外観デザインの基本グレードが109万8655〜149万7273円、女性向けを想定した外観デザインの「+Hana」が135万5891〜165万2400円。月間販売目標台数は5000台である。
新型パッソの開発責任者を務めた製品企画本部 主査の鈴木敏夫氏は、「国内市場では軽自動車や2ボックス車といったコンパクトカーの需要が高まっている。特に軽自動車の伸びはすさまじいものがある。この激戦区に投入する新型パッソには、軽自動車と登録車の間をつなぐ重要な役割があり、幅広い層の顧客の満足が得られるような燃費やデザイン、安全/快適性能を実現した」と語る。
デザインでは、もともとは女性向けを想定していた基本グレードを、「スッキリ」、「きりっ」とさせて男性にも受け入れやすいようにした。一方、より女性を意識して投入した「+Hana」については、より「ポップ」で「キュート」なデザインに変更した。これまで、女性向けのイメージが極めて強かったパッソの顧客層を広げようという戦略である。
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