燃費性能については、「販売台数の約90%を占める」(鈴木氏)という排気量1.0lエンジンモデルで大幅な改善を図るために新型エンジンを採用。さらに、アイドルストップシステムの性能強化も燃費向上に大きく貢献している。
従来モデルでは、時速0kmになって停車した時点でエンジンを停止していたが、新型パッソでは時速9km以下に減速した段階からエンジンを停止する仕様に変更。減速時のブレーキエネルギーを回生し鉛バッテリーに電力として充電する機能も追加した。「30%の燃費向上のうち、10%分はアイドルストップシステムの貢献によるもの」(トヨタ自動車)だという。
安全機能については、横滑り防止装置(ESC)と急ブレーキ時にハザードランプが点滅する「緊急ブレーキシグナル」を標準装備した。
しかし、同社が“激戦区”と語る軽自動車や2ボックス車の市場で、大きな差異化要因となっている運転支援システムについては搭載を見送った。パッソはダイハツ工業が製造しており、同社のブランドで「ブーン」という名称で販売もしている。同社の軽自動車「ムーヴ」などに搭載している、レーザーレーダーを用いる運転支援システムを搭載する判断もあったはずだ。
ただし、レーザーレーダーを用いる運転支援システムは、時速30km以下などの低速で走行している際にしか動作しないこともあって、市街地における軽衝突を避けるためのものとなっている。トヨタ自動車の常務役員を務める小木曽聡氏は、「当社は、より広い速度域をカバーできる運転支援システムを現在開発中である。この運転支援システムが完成する2015年以降、パッソのような小型車をはじめさまざまな車両への展開を始める計画だ」と述べている。
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