NEC、産業用コンピュータにマカフィーのセキュリティソリューションを導入FAニュース

NECは、産業用コンピュータにマカフィーのセキュリティソリューション「McAfee Embedded Control」を導入することを明らかにした。

» 2014年03月07日 14時15分 公開
[三島一孝,MONOist]
sangyopc

 NECは2014年3月6日、産業用および工場用オートメーションシステムのセキュリティ強化を目指し、マカフィーのセキュリティソリューション「McAfee Embedded Control」を産業用コンピュータに導入したことを明らかにした。これにより、NECは産業用および工場用オートメーションシステムを構成するデバイス上で、信頼できるアプリケーションのみを稼働させることができる(関連記事:工場にしなやかさをもたらす、産業用PCの真価とは)。



 サイバー攻撃の拡大により、インターネットに接続されたあらゆるデバイスが攻撃対象となる中、従来はあまりセキュリティの対象とされてこなかった産業用制御システムにおけるセキュリティリスクが指摘されている(関連記事:なぜ今、制御システムセキュリティがアツいのか?)。

 産業用制御システムにおけるセキュリティを高めるためには「多層防御」という考え方が重要だといわれている。産業用制御システムは、工場や重要インフラなどで利用されており、セキュリティが破られた場合、情報漏えいに加えて物理的にも莫大な被害が発生する可能性がある。そのため、ファイアウォールなどのネットワーク全体の防御とともに個々のデバイスやネットワーク機器でセキュリティ対策を行い、1つが破られた場合でも攻撃者が動きにくくすることで、全体的な被害を抑えるというのが多層防御の考え方だ(関連記事:制御システムの守り方――カギを握る「多層防御」と「状況認識」)。

 産業用PCのセキュリティについてもこの考え方の下、注目度が高まってきている。NECでは従来、同社のPOS製品にMcAfee Embedded Controlを採用していたが、今回新たにNECが提供する全ての産業用コンピュータでMcAfee Embedded Controlを導入した(オプションも含む)。

 McAfee Embedded Controlにより、ホワイトリスティング、メモリ保護、変更管理機能など高度なセキュリティ技術を活用可能となる。例えば、工場や遠隔地に配置されたデバイス上で、信頼できるアプリケーションのみを稼働させることが可能になり、デバイスが少しでも不正使用された場合でも、組織もしくは施設の管理者にアラートで知らせることができる。また、ゼロデイ攻撃からのデバイスの保護、デバイスへの確実なセキュリティポリシーの適用を実現できるとしている。

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