ホンダ「Nシリーズ」の新たな革新「N-WGN」、燃費性能で競合車種と肩を並べる:エコカー技術(3/3 ページ)
N-WGNは、従来のNシリーズよりも軽量化技術を積極的に導入している。車体骨格は、N BOXやN-ONEと同様にインナーフレーム高効率継ぎ手骨格を採用している。しかし、板厚や材質の異なる複数の鋼板をプレス成形前に溶接しておくテーラードブランク製法を用いたサイドパネルや、1180MPa(パスカル)級の高張力鋼板をホットスタンプしたスティフナーなどにより剛性を高めて軽量化した。
外板にも、340MPa級の高張力鋼板や強固な接合が可能な短ピッチスポット結合を採用し、板厚を下げることで軽量化を実現している。これらの施策により、従来工法と比較して15%の軽量化が達成したとしている。
340MPa級の高張力鋼板を採用した外板(左)と短ピッチスポット結合の採用事例(クリックで拡大) 出典:ホンダ
燃費性能は空力特性を示すCd値との関連も深い。N-WGNは、前面投影面積が大きいハイトワゴンタイプ軽自動車ではあるものの、空力パーツの配置やボディ各部のデザイン処理により、ハイトワゴンタイプよりも全高の低い軽自動車と同等レベルまでCd値を低減しているという。これは、前面投影面積がN-WGNよりも小さいN-ONEを大きく上回っている。
「N-WGN」の前面投影面積とCd値。前面投影面積は「N-ONE」より大きいものの、Cd値は全高の低い軽自動車と同レベルと小さい(クリックで拡大) 出典:ホンダ
- 新型「タント」の燃費が「スペーシア」を超えなかった理由
ダイハツ工業はスーパーハイトワゴンタイプの軽自動車「タント」をフルモデルチェンジした。JC08モード燃費は28.0km/l。従来モデルから12%向上したものの、競合車種の「スペーシア」の29.0km/lを上回ることはできなかった。これは、軽量化によって得られた車重の余裕を、燃費性能ではなく、使い勝手と乗り心地に振り分けたためだ。
- スズキが「デュアルジェット エンジン」を新開発、「スイフト」の燃費を2割向上
スズキは、排気量1.2l(リットル)のガソリンエンジンを新たに開発したと発表した。名称は「デュアルジェット エンジン」で、1気筒当たり2本のインジェクターを装備することで、燃焼効率の向上と各種損失の低減を実現した。同エンジンを搭載する小型車「スイフト」のJC08モード燃費は、従来比21%向上し26.4km/lを達成した。
- 新型「ムーヴ」の燃費は「ワゴンR」以上、走行性能でも「N-ONE」に対抗
ダイハツ工業の新型「ムーヴ」は、「e:Sテクノロジー第2弾」の搭載により、スズキの「ワゴンR」を上回る29.0km/lというJC08モード燃費を達成。5〜6万円を追加すれば。時速30km以下で動作する衝突回避支援システムも装備できる。さらに、ホンダの「N-ONE」に対抗すべく、足回り部品の改善による走行性能の向上も果たした。
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