ラティス、製造工程の3Dアニメーションを半自動作成する「XVL Studio」新版発表製造ITニュース

ラティス・テクノロジーは、同社が展開する軽量3次元(3D)フォーマット「XVL」を編集・閲覧できる「XVL Studio」の新版をリリース。半自動3Dアニメーション作成機能を加え、海外への作業指示をより容易に行えるようにする。

» 2013年10月16日 11時30分 公開
[三島一孝,MONOist]
XVL

 ラティス・テクノロジーは2013年10月16日、同社が展開する3次元(3D)フォーマット「XVL」を作成・閲覧できる「XVL Studio」の新版となる「12.1」を発表。同年10月21日から販売を開始する。

 新バージョンでは、さまざまな機能強化が行われているが、製造工程の3Dアニメーションを半自動で作成できる機能を搭載したことが最大の特徴だ。



 「XVL」は軽量3Dフォーマットであり、大規模なアセンブリモデルの表示に適していることから、海外向けの作業指示書などで活用されてきた。それと併せて、作業指示の3Dアニメーション化も検討されてきたが、実際の利用は限定的だったという。「導入段階では高い評価を得るものの、実際の現場の作業では、アニメーション化の作業が負担になるため、想定したほどは使われていなかった。アニメーション化の作業負担を低減することでより容易に3Dアニメーションによる作業指示が行えるようにできる」と同社代表取締役社長の鳥谷浩志氏は話す。

XVL Studio 12.1で組み立てアニメと視点を半自動設定した画面イメージ XVL Studio 12.1で組み立てアニメと視点を半自動設定した画面イメージ(クリックで拡大)

部品の干渉を認識

 半自動アニメーション作成機能は、部品の干渉を把握し、組み付け方向を自動判断することでアニメーション作成を行う仕組み。完成した製品から部品を干渉しない方向に引き抜いてバラしていき、それを逆再生するような考え方だ。ねじなど一部の部品は形状から認識できるようにしておき、引き抜く動きを自動判別できるようにしているという。

 同様の仕組みを利用し、視点の自動設定を行えることも特徴だ。従来のアニメーションでは、視点の設定を行わなければ「組み立て部分が見えない」というような状況も起こっていた。新バージョンでは、組み立て部分を自動判断し、視点を自動で必要な位置に移動させることができる。

 アニメーションや視点には一部修正が必要になるところもあるが、これらにより組み立てアニメーション作成作業の80%の削減が可能だという。「部品点数が500点程度の場合、従来は約70分かかっていたのが15分程度で作成できる。大幅に作業負担を低減できる」と鳥谷氏は強調する。

XVL Studio Ver.12.1 紹介ビデオ

Excel帳票も簡単に作成可能

 また、別売の「Lattice3D Reporter」との連携機能により、Excelの帳票を自動作成可能。1つのExcelシートに3Dの組み立てアニメーションと部品組み付け前後の静止画像を自動で貼り付けることができ、指示書を簡単に作成できる。鳥谷氏は「国内では静止画の作業指示書、海外ではアニメーション付きの指示書など、状況に応じた活用ができる」と話している。

Excel帳票 XVLから生成したExcel帳票(クリックで拡大)

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