日立製作所は、「実機・商品展示と連動したインタラクティブなデジタルサイネージシステム」の展示デモを行っていた。
家電量販店や携帯電話ショップなどの売り場で、端末の実機展示を行っていることがよくある。このシステムでは、“備え付けの台座から実機を持ち上げる行為”に合わせて、隣にあるデジタルサイネージのコンテンツを切り替えるというものである。台座から持ち上げたということは、その商品に一定の興味があるということなので、デジタルサイネージ側でのコンテンツ再生と同時に、手に取った商品の種類や日時、どれくらい触っていたかの秒数などを記録し、接触解析にも活用できるという。
展示会場では、「Windows Phone(IS12T)」や「Surface RT」などを店舗に展示されている実機に見立て、それらを手にする(台座から持ち上げる)と、センサーがそれを認識し、84インチの4K対応デジタルサイネージディスプレイ「84WS70」(LG Electronics製)に、該当商品のプロモーション映像やコマーシャル映像などを配信するデモを実演していた。デジタルサイネージプレーヤーは、iBASE製の「SI-58」が用いられていた。なお、「2つ同時に手にされた場合には、デジタルサイネージの表示が上下に2分割され、別々に映像が流れる仕掛けになっている」(説明員)そうだ。
東京エレクトロン デバイスは、Kinect for Windowsとデジタルサイネージを組み合わせたソリューション提案の形として、顧客の利用形態に合わせて、デジタルサイネージ端末(ディスプレイ/プレーヤー)やKinectアプリケーションなどを自由に選択できる「Kinect for Windows サイネージ クイックスタートパック」に関する紹介を行っていた。Kinectアプリケーションの制作などを手掛けるデザイニウムと、デジタルサイネージ筐体の製作などを行うエス・イー・シーエレベーターとともに、DSJ2013終了後から正式なサービスとして展開していく予定だという。
「安価なモーションセンサーデバイスとして、Kinect for Windowsの興味・関心は日に日に高まっている。しかし、購入してコンピュータに接続すれば、マウスのように何でもジェスチャーで操作できると勘違いしている人が多い。こうした関心を持つ顧客に、デジタルサイネージ向けのKinectアプリケーションの開発費(一から開発した場合の費用)の話をすると、予想よりも高額過ぎて導入を諦めてしまうケースがよくある。これはもったいないと考え、初期の開発費用を抑え、すぐに立ち上げられるパッケージでの販売を考えた」と説明員。
Kinect for Windowsと組み合わせて利用するデジタルサイネージの画面サイズやタイプ、使用する組み込みPC(デジタルサイネージプレーヤー)の種類を選択できる他、5種類あるKinectアプリケーションの中から任意のものを選ぶことができる。5種類のKinectアプリケーションは、デザイニウムが制作を担当。笑顔になるとクーポン券がもらえる「えがお de クーポン」、利用者の動きに合わせてスライドが消えていく「SlidEraser」、利用者との距離に合わせてスライドが変化する「SlideDistance」、利用者がディスプレイの前に来るとスライドを最初から再生してくれる「SlideStart」、そして、Webブラウザなどの外部アプリをジャスチャーで操作できる「KineController」がある。
「『SlidEraser』『SlideDistance』『SlideStart』に関しては、使用する画像や各種設定が外部ファイル化されているので、ユーザーは指定されたフォルダに画像を置いたり、設定ファイルをテキスト編集したりするだけで任意にカスタマイズできる」(説明員)という。
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