走行距離が短く、充電時間が長いというEVの課題を、電池交換ステーションで電池パックを交換するという手法で解決しようとしていたBetter Place(ベタープレイス)が、会社の解散と清算を申し立てた。
イスラエルの電気自動車(EV)関連企業であるBetter Place(ベタープレイス)は2013年5月26日(同国時間)、地方裁判所に会社の解散と清算を申し立てたと発表した。
EVには、大容量電池を搭載するので価格が高い、満充電からの走行距離が短い、充電時間が長いといった課題がある。ベタープレイスは、標準化した電池パックをEVに搭載し、走行距離が不足してきたら電池交換ステーションで電池パックを交換するという手法を提案。同社と契約したEVユーザーは、走行距離の分だけ電気代を支払う。電池パックは同社が提供するので、その分EVの購入費用が安く済む上に、電池パックを満充電のものに即座に交換するので充電時間を気にする必要がない。内燃機関車のユーザーが、燃料を所有せずに、必要なときにガソリンスタンドで燃料を購入して補充するのと同じような感覚でEVを利用できるようになるというビジネスモデルである。
ベタープレイスは、このビジネスモデルを基に2007年10月から活動を開始。2008年1月にはRenaultと日産自動車のアライアンス(ルノー・日産アライアンス)と、イスラエル国内で、標準化した電池パックを搭載するEVと電池交換ステーションを展開する事業で協力することに合意した。さらに同年3月には、デンマークでも同様の取り組みを進めることを決めた。日本国内でも、2009〜2010年にかけて電池交換ステーションのデモンストレーションを行うなど、事業を積極的に展開する姿勢を見せていた。
しかしその後、EV用電池パックの標準化や電池パックの交換が容易なEVの開発が進まず、電池交換ステーションの設置費用が高すぎるなど、ベタープレイスのビジネスモデルの課題が表面化した。2012年10月には、創立者のShai Agassi氏がCEO(最高経営責任者)を退任するなど経営も行き詰っていた。
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