教育版レゴ マインドストームの国内正規代理店を務めるアフレルは、メディア向けに「教育版レゴ マインドストーム EV3 記者体験会」を開催。9月上旬の発売に先駆け、より進化した教育版レゴ マインドストーム EV3による“ロボット開発”を体験してきた。本稿では多数の画像と動画を交えて、その魅力を紹介する。
マイクロプロセッサを搭載した四角いボックスに、センサーやモーターを接続したり、パーツを駆使して外観をデザインしたり、さまざまな動きを演出したりできる「レゴ マインドストーム(LEGO MINDSTORMS)」をご存じでしょうか。「考え」「作る」というレゴブロックのエッセンスを生かし、レゴと米マサチューセッツ工科大学の共同研究により誕生したロボット教材です。専用ツールで開発したソフトウェアプログラムを転送することで、自分で考え、作ったロボットを「動かす」ことができます。もちろん、“レゴブロック”ですから壊して(バラして)、また組み立てるといったことも簡単に行えます。
レゴ マインドストームは、量販店などで購入できる小売り版と、学校の授業・研究や企業の研修などで利用される教育版の2つのバージョンが存在します。特に、教育版はロボット教材として広く活用されているようで、現在、全世界60カ国、200万台の販売実績があるそうです。その歴史をさかのぼると、今から15年前の1998年に初代「レゴ マインドストーム RCX」が世に送り出され、2006年に2代目「レゴ マインドストーム NXT」が登場しました。日本でもさまざまな企業・教育機関などに導入されたそうです。また、MONOistで何度も取り上げている「ETソフトウェアデザインロボットコンテスト(ETロボコン)」の走行体としてもおなじみです。
そして、今年、2013年9月上旬――。ついに、新モデルが登場します。その名は「レゴ マインドストーム EV3」です。
EV3のインテリジェントブロック(マイクロプロセッサを搭載した心臓部)は、一世代前のNXTと比較して、処理性能がおよそ6倍に向上(ARM7/48MHz→ARM9/300MHz)し、RAMも1000倍(64Kバイト→64Mバイト)になりました。しかも、SDメモリーカードも使用可能です。さらに、出力ポートも旧来の3つから4つに増設されたことで、設計の幅が広がりました。その他、PCレスでプログラムできるオンボードプログラム機能の充実や、Bluetooth/Wi-Fiによる通信機能の強化、スマートデバイス(iOS/Android)連携に対応するなどの進化を遂げています。
以下に、歴代レゴ マインドストームのハードウェア性能を示します(表1)。
項目 | EV3 | NXT | RCX |
---|---|---|---|
プロセッサ | ARM9 300MHz | ARM7 48MHz | H8/300 |
メモリ | 16Mバイト Flash 64Mバイト RAM |
256Kバイト(0.256Mバイト) Flash 64Kバイト(0.064Mバイト) RAM |
16Kバイト(0.016Mバイト) Flash 32Kバイト(0.032Mバイト) RAM |
動力 | 単3電池 6本 リチャージブルバッテリー |
単3電池 6本 リチャージブルバッテリー |
単3電池 6本 |
通信 | USB Bluetooth Wi-Fi |
USB Bluetooth |
赤外線 |
入力ポート | 入力ポート×4 アナログ デジタル 460.8Kビット/s |
入力ポート×4 アナログ デジタル 9.6Kビット/s |
入力ポート×3 |
出力ポート | 出力ポート×4 | 出力ポート×3 | 出力ポート×3 |
表1 インテリジェントブロックの性能比較:左からEV3、NXT、RCX(提供:アフレル) |
教育版 レゴ マインドストームの日本での販売は、複数の正規代理店が行っています。その中の1社、アフレルが教育版 EV3の発売に先駆けて、メディア向けに「教育版レゴ マインドストーム EV3 記者体験会」を開催してくれました(開催日:2013年4月25日)。以降で、その模様をお届けしていきたいと思います。ちなみに、開催場所はJR品川駅近くにある「CO☆PIT(こぴっと) 〜フューチャーセンター〜」。富士通ラーニングメディアが提供する「相互研鑽(さん)」を目的とした交流型研修スペースです。
体験会の模様を紹介する前に、教室内の様子と会場(教室の外)に展示されていた作例などを紹介したいと思います。
では、次ページから体験会の模様を多数の画像と動画を交えて紹介していきたいと思います。
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