電気設備設計ツール「SolidWorks Electrical」は制御盤設計とメカ設計を相互連携できる。それぞれのデータ変更も自動反映される。
ソリッドワークス・ジャパンは、2013年4月4日、電気設備設計ツール「SolidWorks Electrical」の日本語版を販売開始すると発表した。同製品は2012年8月1日に発表し、北米、欧州、中東で先行販売していたもの。制御盤設計用の2次元CADや3次元設計連携機能、部品データベースなどが提供される。このツールは米SolidWorksの認定ゴールドパートナーであるTrace Softwareの技術をベースとしている。
2次元CADは、単結図、複線図、内部配線図といった制御盤設計(よく「盤(ばん)設計」と呼ばれる)に必要なあらゆる図を作成できる機能を標準で備える。3次元CADと連携することで、布線表から線の長さを出力できる。
制御盤設計用2次元CADは機械系CADである「SolidWorks」と相互連携でき、双方の設計変更や修正の情報は自動で反映される仕組みだ。従来、両設計は部署を分けておのおので作業が進められ、互いの情報はデザインレビューや進捗報告などを介して共有するのが一般的だった。そのようなプロセスは非常に面倒であり、情報のすり合わせミスによる設計エラーも起こりがちだった。
機械設計者にとって、2次元線図や独自の専門用語で表現される制御盤設計関連の情報を理解することは困難だった。制御盤設計のデータが3次元データに取り込めることで、機械設計者や他部門の担当者も制御盤設計の内容が理解しやすくなった。
2次元で行う制御盤設計は、奥行き方向を考慮した設計が難しく、製品の組み立て時点で、「制御盤の扉が閉まらない」「作業者が無理に配線をやりくりしてしまい線を破損する」といった問題が生じがちだったが、こちらも3次元で検討可能となることで解消できるとしている。
部品ライブラリも標準機能として提供する。オムロン、富士電機、三菱電機などさまざまなメーカーの部品約50万点を実装している。部品データベースは、サービスパック提供ごとに更新していく。IEC、JIS、ANSIなど主要規格に準拠した作図用シンボルも備えるほか、ユーザーのカスタムしたシンボルも登録可能だ。
「SolidWorksに取り入れてほしい新機能として顧客要望が多かったものは、1番が射出成形シミュレーション、2番が電気設計関連(電気/機械設計の連携など)だった。1番目は『SolidWorks Plactics』が既に登場し、2番目についても実現した。2012年度は、顧客満足度調査の結果が94%と過去最高だった。今後も、ユーザーの声に耳を傾けて、新製品に反映していくことを変わらず継続する。特に、日本ユーザーはソフトウェアの性能に対しても精度に対しても、非常に厳しい。その声は大変頼りになる」(米SolidWorks CEO ベルトラン・シコット氏)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.