米ソリッドワークスのプライベートイベント3日目に、開発中のミッドレンジ3次元CAD新製品「SolidWorks 2014」の機能の一部が紹介された。ほかCADビュワー「eDrawings」の新機能や新しいクラウドベースの構想設計ツールなどもあわせて紹介する。米ソリッドワークス社員の皆さんの“ちょっとおばか”な製品紹介シーンもご覧あれ。
米ダッソー・システムズ・ソリッドワークス(以下、ソリッドワークス)は、2013年1月21日(現地時間)より米国フロリダ州オーランドで開催した同社のプライベートイベント「SolidWorks World 2013」の最終日(1月23日)で、開発中の新製品「SolidWorks 2014」の機能の一部を明らかにした。電気CAD側のデータ活用、スプライン機能の改善、樹脂流動解析と応力解析との連携機能などが次々と公開された。ここではおびただしい数の新機能のうち、ごく一部を紹介する。
今回、SolidWorks 2014は、“ちょっとおばかな”架空の製品開発事例と交えて紹介されたが、ひとまず普通に説明する。米ソリッドワークスのマーケティング部の「おばかっぷり」は記事後半に。
SolidWorks 2014では、電気CAD「SolidWorks Electrical」側で持つ基板と実装部品のデータをメカCAD側(SolidWorks)に取り込んで3次元化するとともに、物理特性や熱特性データも取り込める。メカCAD側で電気回路側の部品に修正が入れば、それを電気CAD側にフィードバックすることも可能だ。また、この連携機能を利用すれば流体解析ソフトウェア「SolidWorks Flow Simulation」で電気部品の特性を踏まえた熱解析がしやすくなる。
またメカCADのアセンブリ上の回路基板に付けるコネクタやフレキなど電気部品の取り付けや差し替えが簡略化される。
新版ではハーネス製図時のアシスト機能を追加する。またフットプリントのパターンが色分けできるようになる。
SolidWorks 2014からスケッチのスプラインの機能が刷新される。新機能ではスプラインそのものの長さを固定しておいて、曲線の曲率を変えることが可能だ。旧スプライン機能で引かれた線を新しいスプラインに変換でき、逆に新しいスプラインを旧スプラインに変換することも可能だ。
ウィザードによりスロット形状、長穴のモデリングが簡易になる。
アセンブリの際は、ヒンジピンで固定された電池蓋(ぶた)の動き、ねじを取り外しするときなどの回転が再現できるようになる。「蓋を開ける操作」は実際の動作に近い挙動になることで楽になり、ねじがくるくると抜けていく、あるいはしまっていく動きが再現できるようになる。
応力解析では、シンメトリ(対称)形状のモデルの場合、片側にだけ境界条件設定や結果表示(ポストプロセス)の計算をして、反対側は結果表示時に視覚化する。それにより解析計算の時間を削減できる。
樹脂流動解析ソフトウェア「SolidWorks Plastics」の残留応力の結果をSolidWorks Simulationの応力解析モデルに取り込める。射出成形時の変形を考慮した応力解析が可能になる。
ロフト状に複雑に絞られた板金の展開形状作成が容易になる。
2013年6月ごろ、3次元モデルビュワー「eDrawings」にAR対応機能が付加される予定だ。バーコードのあるシーンをタブレットデバイスのカメラで写すと、タブレット画面に3次元モデルが映し出される。リアルな世界と3次元モデルを融合して表示できる仕組みだ。読み取り用のバーコードはeDrawingsで出力でき、メール添付して送付できる。
なお「eDrawings」のAndroid対応については2013年夏中リリースを目標に開発中だ。
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