日産自動車がマイナーチェンジした電気自動車(EV)「リーフ」は、走行用モーターの磁石に使用するレアアースのディスプロシウムの量を40%削減している。このレアアース削減モーターの回転角を検知するレゾルバは、ミネベアが開発した。
ミネベアは2012年11月21日、日産自動車が11月20日にマイナーチェンジした電気自動車(EV)「リーフ」(関連記事1)の走行用モーター向けにVR(可変リラクタンス)型レゾルバを開発し、日産自動車の横浜工場(横浜市神奈川区)への納入を開始したと発表した。
VR型レゾルバは、モーターの回転角を正確に制御するセンサー部品である。EVやハイブリッド車(HEV)の走行用モーターや電動パワーステアリングの駆動モーターなどに利用されている。
新型リーフの走行用モーターの磁石は、高騰中のレアアースとして知られるディスプロシウムを従来比で40%削減する技術が適用されている。このため、従来の走行用モーターとは動作特性が異なる。
そこでミネベアは、小型モーター開発の経験から得た磁場解析技術を駆使して、新型リーフの走行用モーターに最適な巻き線の仕様とローター/ステーター形状を備えたVR型レゾルバを開発した。さらに、タイのバンパイン工場にリーフの走行用モーター専用の生産ラインを新設し、供給体制も整えた。
EVやHEVの走行用モーターのVR型レゾルバについては、トヨタ自動車のHEV「プリウス」の開発当初から採用されている多摩川精機が圧倒的なシェアを握っている。従来型のリーフも多摩川精機のVR型レゾルバを搭載していた。多摩川精機とミネベアの他では、ホンダのHEV「シビック ハイブリッド」などに採用されている日本航空電子などが知られている(関連記事2)。
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