Freescale Semiconductor(フリースケール)とアルプス電気は、車載情報機器向けプラットフォームの共同開発で協業する。両社の協業により、さまざまな通信接続機能を持つ高機能の車載情報機器を短期間で開発できるようになるという。
Freescale Semiconductor(以下、フリースケール)とアルプス電気は、東京都内で開催中のユーザー向けイベント「Freescale Technology Forum Japan 2012」(2012年10月22〜23日)において、車載情報機器向けプラットフォームの共同開発で協業すると発表した。
協業の狙いは、「さまざまなデバイスと通信接続することが当たり前になっている車載情報機器市場でのグローバル展開をさらに拡大するため」(フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン社長のデイビッド M.ユーゼ氏)である。アルプス電気の取締役で技術本部長を務める天岸義忠氏も、「当社の車載通信接続モジュールの売上高は海外比率の方が高い。フリースケールとの協業により、海外売上高をさらに伸ばせるだろう」と述べている。
今回の協業では、フリースケールの車載情報機器向けアプリケーションプロセッサ「i.MX 6シリーズ」の評価ボード「SABRE」向けに、アルプス電気がBluetooth/無線LANコンボモジュールやGPS(全地球測位システム)モジュールなどの通信接続モジュールを供給する。フリースケールは、アルプス電気の通信接続モジュールを、i.MX 6シリーズのリファレンスデザイン(参照設計)として認定する。
これにより、「世界トップ10社のうち6社が車載情報機器に採用するフリースケールのアプリケーションプロセッサ」(ユーゼ氏)と、「世界シェア50%に達する車載Bluetoothモジュールをはじめ車載用途での実績が豊富なアルプス電気の通信接続モジュール」(天岸氏)を使って、さまざまな通信接続機能を持つ高機能の車載情報機器を短期間で開発できるようになるという。
現在、SABREで利用可能なアルプス電気の通信接続モジュールとしては、Bluetooth/無線LANコンボモジュールの他、米国のHD Radioや欧州のDAB(Digital Audio Broadcast)、通常のAM/FMといったラジオチューナーモジュールなどがある。2013年4月には、GLONASS、Galileo、Compassなどに対応するGPSモジュールのサンプル供給を始める予定だ。2G/3G/LTEに対応する携帯電話通信モジュールも2013年末の投入を予定している。
フリースケールは、2012年11月から、SABREのリファレンスデザインに関する情報提供を始める。このリファレンスデザインの中には、アルプス電気の通信接続モジュールも含まれることになる。
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