日産自動車が北米向けHEVに日立製電池を採用、EV向けはAESC製で変わらず:電気自動車
日産自動車は、北米市場向けのハイブリッド車(HEV)に、日立製作所の子会社である日立ビークルエナジー製のリチウムイオン電池を採用する。「リーフ」などの電気自動車(EV)や国内市場向けのHEVには、NECとのリチウムイオン電池の合弁企業であるオートモーティブ・エナジー・サプライ(AESC)の製品の採用を継続する。
日産自動車は、北米市場向けのハイブリッド車(HEV)に、日立製作所の子会社である日立ビークルエナジー製のリチウムイオン電池を採用することを明らかにした。「性能やコストで当社の要求を満たしたので採用した」(日産自動車)という。採用車種や、市場投入時期は非公開となっている。
「リーフ」に代表される電気自動車(EV)や、「フーガ ハイブリッド」などの日本国内向けのHEVには、日産自動車とNECが合弁で設立したリチウムイオン電池の製造子会社オートモーティブ・エナジー・サプライ(AESC)の製品を継続して採用する。
日立ビークルエナジーは2009年5月、4500W/kgという出力密度を達成した第4世代HEV向けリチウムイオン電池を発表している。今回日産自動車が採用するのは、この第4世代品である可能性が高い。日立ビークルエナジーは、General MotorsのHEVなどに、出力密度が3000W/kgの第3世代品を2010年から量産出荷しているが、これまでに第4世代品の採用事例は報告されていなかった。
日立ビークルエナジーの第4世代HEV向けリチウムイオン電池セルとその仕様。形状は、第3世代品は円筒型だったが、第4世代品は角型になっている。(クリックで拡大) 出典:日立製作所
- ルノーがLG ChemとEV用電池で提携、「ZOE」は日産製電池を採用せず
ルノーとフランス原子力庁は、電気自動車(EV)用次世代電池の量産開発でLG Chemと提携すると発表した。LG Chemは、このEV用次世代電池の工場をフランス国内に建設するとともに、同工場で2015年末からEV用電池の現行品の量産を開始する。ルノーが2012年末発売予定の小型EV「ZOE」も、LG Chem製の電池を採用することが明らかになった。
- 群雄割拠の車載Liイオン電池
ハイブリッド車や電気自動車など、電動システムを搭載する自動車の市場拡大に合わせて、新たな車載リチウムイオン電池の開発が加速している。本稿ではまず、車載リチウムイオン電池の開発/供給に関する業界動向をまとめる。その上で、国内電機メーカーが車載リチウムイオン電池の性能向上のために行っている取り組みを紹介する。
- 車載リチウムイオン電池で、電機/自動車業界間の提携が加速
充電可能なプラグインハイブリッド車と電気自動車に関する話題が業界を席巻する一方で、その中核デバイスとなるリチウムイオン二次電池について、自動車メーカー/Tier1サプライヤと電機メーカーとの間で開発提携や合弁会社設立などの動きが急加速している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.