Waymoが東京で自動運転技術をテスト、2025年から日本交通と共同で自動運転技術

日本交通とGO、Waymoは東京都内で自動運転技術をテストするための戦略的パートナーシップを締結した。

» 2024年12月18日 10時15分 公開
[齊藤由希MONOist]

 日本交通とGO、Waymoは2024年12月17日、東京都内で自動運転技術をテストするための戦略的パートナーシップを締結したと発表した。テストは2025年に東京都心部で開始する。初期は日本交通の乗務員がWaymoの車両を運転し、Waymoの自動運転技術を東京都心部の公道に導入することを目指す。

 Waymoとしては、初めて米国外で自動運転技術を検証する。世界的にも人口密度の高い都市環境の1つである東京で、米国で実績のある無人運転技術「Waymo Driver」を検証できることがメリットになる。左側通行についてもWaymo Driverに学習させる。Waymo Driverが東京都心部の交通エコシステムにどのように貢献できるかについても検証していく。

 東京都内でのテストに使用するのはジャガー「I-PACE」をベースにした自動運転車だ。港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、江東区など都心の主要エリアの地図作成から開始する。Waymo Driverを新しいエリアで走らせる場合は、車線や標識、縁石、横断歩道などの詳細なデータを収集することから始めているためだ。走行データの収集により、シミュレーションでWaymo Driverが新しい環境に適応する方法を評価できるようになるとしている。

 日本交通とGO、Waymoは日本での自動運転タクシーの導入を加速させ、人口減少や労働力不足の中での地域の移動手段改善など社会課題の解決に取り組む。

Waymoはタクシー事業者をパートナーに海外進出する[クリックで拡大] 出所:Waymo

自動運転タクシーは政府も関心

 無人運転車による移動サービスの導入は日本政府も後押ししている。政府は2025年度をめどに国内50カ所程度で無人運転車による移動サービスの実現を目指す。早期実現に向けては事業者と関係省庁の情報共有が不可欠なため、経済産業省と国土交通省が会議体「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」を設置して事業者とのコミュニケーションを図っている。経産省や国交省だけでなく、警察庁や総務省、自治体などもメンバーに参加する。

 2023年11月に設置されたレベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティでこれまでに議題として扱ったのは、ホンダと日産の2件。ホンダはGM(General Motors)やCruiseと共同で自動運転タクシーを導入する計画だったが、GMがCruiseのロボタクシー事業への投資を取りやめたことから見直しが避けられない。日産自動車は、2025〜2030年度に3段階のフェーズに分けてオンデマンドの乗り合いシャトルの導入を目指す。

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