NTNが開発した「小型EV用インホイールモータシステム」を搭載する2人乗り小型EVの実証実験が静岡県で始まる。新東名高速道路の「通り初め」では、この2人乗り小型EVが登場した。
NTNは2012年4月16日、同社が開発した「小型EV用インホイールモータシステム」を搭載した2人乗り小型電気自動車(EV)の実証実験を開始すると発表した。同社が参加する、静岡県のEV普及プロジェクト「ふじのくにEV・PHVタウン構想」と連携した取り組みである。4月14日に開通した新東名高速道路の「通り初め」には、この2人乗り小型EVが快走した。
同社の小型EV用インホイールモータシステムの特徴は、モーター、ハブベアリング、減速機などの構成部品を車輪の中に格納できるだけでなく、インバータを含めた制御システムまで一体化している点にある。これにより、インホイールモーターの他には、車両側に電池を搭載するだけで電動車両を設計できるわけだ。同社は、2011年12月に開催された「第42回東京モーターショー」で、この小型EV用インホイールモータシステムを組み込んだデモ車両「Q'mo(キューモ)」を公開していた(関連記事)。
実証実験に用いる2人乗り小型EVは、後輪側の2輪にこの小型EV用インホイールモータシステムを搭載している。2輪合計で、最大出力は8kW、最大トルクは600Nm。容量4.1kWhのリチウムイオン電池パックを搭載している。車両サイズは全長2780×全幅1400×全高1440mm。タイヤサイズは155/55R14である。車両設計は、改造電気自動車(コンバートEV)の開発で知られるタジマモーターコーポレーションが担当した。
NTNは2011年10月に、同社のインホイールモータシステムと、既存のEVと同様に車両内部にモーターを搭載するオンボード駆動システムを搭載したコンバートEVを静岡県磐田市に貸与している。これらのコンバートEVは、実証実験の一環として、磐田市の公用車として運用されており、2人乗り小型EVと同様に、新東名高速道路の通り初めに登場した。
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