富士通・長野工場が自然エネルギー活用システムの運用を開始した。小規模運用が多かった地中熱採熱システムを大規模な工場敷地内で導入し、コスト削減とCO2削減を狙う。
富士通は、2012年1月からプリント基板の製造・開発などを行っている長野工場で、地中熱採熱システムを導入、運用を開始する。導入は施設管理業務を行う富士通ファシリティーズと共同で行っている。今後は地中熱採熱システムの運用ノウハウを蓄積し、富士通グループ内での横展開を推進していくという。
富士通ではこれまでにも、館林データセンターや川崎工場などで太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入しているが、地中熱採熱システムの導入は今回が初めてとなる。長野工場では、このシステムで得たエネルギーで温水を製造、クリーンルームなどの空調設備の熱源とする。
地中熱採熱システムは、地中の温度が1年を通してほぼ一定であることを利用し、外気との熱交換を利用してエネルギーを得る仕組み。一般的に、地中熱採熱システムでは、ヒートポンプの動力源となる電気エネルギーの約3倍程度のエネルギーを得ることができるとされる。
長野工場の地下30メートルまでの地層は年間を通じて約13度で安定しており、ここに採熱管31本を設置して熱を回収する。
富士通では、同システムの導入で、従来のガスボイラー式の温水製造と比較して、原油換算で年間47kリットル、CO2排出量は年間120トン程度削減できると試算している。
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