パイオニアは、通信機能を備えた自転車専用サイクルナビゲーション「ポタナビ(SGX-CN700)」を2012年2月に発売する。健康意識が高く、サイクリングを楽しんでいる“スポーツサイクリスト層”がターゲットだ。
パイオニアは2011年10月25日、同社の成長戦略の骨子の1つである「新規事業の開発」を具現化する取り組みとして、自転車の新たな楽しみ方を提案する自転車専用サイクルナビゲーション「ポタナビ(SGX-CN700)」を発表した。発売は2012年2月を予定しており、販売想定価格は4万円程度になるという。カラーは、ホワイト(SGX-CN700-W)とブラック(SGX-CN700-K)の2色で展開する。
なぜパイオニアが自転車なのか――。同社 代表取締役社長 小谷進氏はその背景にあるビジョンについて次のように説明した。「パイオニアの企業理念(2015ビジョン)に“街でも家でも車でも、笑顔と夢中が響き合う”というものがある。今回の新製品(ポタナビ)は『街』という日常の生活シーン、それを豊かにするための製品として位置付けている」。これまでホーム/カーエレクトロニクス分野を中心に事業を展開してきた同社は、このビジョンに合った新規事業として、近年の健康/美容意識の向上や自転車ブームに着目し、通信機能を備えた自転車専用サイクルナビゲーションを製品化した。
同社の説明によると、国内の自転車人口はおよそ7500万人。その中で、特に健康意識が高く、サイクリングや自転車での散策を楽しんでいる「スポーツサイクリスト層」、およそ300万人(主にクロスバイクなどを利用)が同製品のメインターゲットだという。さらに、スポーツサイクリスト層予備軍(いわゆる“ママチャリ”などを現在利用している一般層からのステップアップ)も将来のターゲットとして見込んでいるとのこと。
同製品は、道路案内やルート探索といった従来の自動車向けのナビゲーションシステムとは異なり、「pottering(ポタリング)」、つまり“自転車でぶらぶらすること(散歩的なサイクリング)”を楽しむために特化した各種機能が搭載されている。その機能は大きく「ポタリング専用 ナビ機能」「エンタメサイコン(サイクルコンピュータ)機能」「カンタンロガー&通信機能」の3つに分けられる。
同製品は、本体にデータ通信用モジュールが内蔵されており、NTTドコモの通信回線を利用し、各種機能で利用するデータ通信や簡易的なメッセージ送受信が可能だ。本体購入から2年間、無料で通信機能が使用できる(期間終了後は有料の延長契約を結ぶことで継続利用可能。価格は未定)。最大約10時間のバッテリー、耐震・防塵設計&防滴対応(IPX5相当)。アプリケーションプラットフォームには、携帯電話向けでおなじみの「BREW」が採用されており、「将来的にはAndroidを採用したモデルも検討中」(同社)だという。
「2015年には、海外展開も含めて100万台の販売目標を掲げている」(小谷氏)とし、国内展開においてはスポーツサイクル専門店を中心に販売する計画。さらに、海外展開については、来年の夏ごろを目標に世界各地の現地法人と連携しながら展開していく方針だという。
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