支点距離(X)と作用点の距離(Y)を等しく設計し、かつ駆動リンクの長さ(A)と中間リンクの長さ(B)を等しく設計したパターンです。
図8のアニメーションから、下記のことが分かります。
図8に示した機構で、支点距離(X)と作用点の距離(Y)を等しいままに、中間リンクの長さ(B)に対して駆動リンクの長さ(A)を短く設計したパターンです。
図9のアニメーションから、下記のことが分かります(動きそのものは図8と同様となります)。
ここで、支点距離(X)と作用点の距離(Y)を等しくしたまま、中間リンクの長さ(B)に対して駆動リンクの長さ(A)を長く設計したパターンを確認してみましょう。基本的な構造は同じはずなのに、駆動リンクと中間リンクの長さが変化すると、リンク機構がロックするパターンがあることが分かります。
さらに、駆動リンクの長さ(A)と中間リンクの長さ(B)を等しく設計し、支点距離(X)を作用点の距離(Y)より、長く設計したパターンを確認してみましょう。この機構も同様に、基本的な構造は同じはずなのに、支点距離と作用点の距離が変化すると、リンク機構がロックするパターンがあることが分かります。
同様に、駆動リンクの長さ(A)と中間リンクの長さ(B)を等しく設計し、支点距離(X)を作用点の距離(Y)より、短く設計したパターンを確認してみましょう。この機構も同様に、基本的な構造は同じはずなのに、支点距離と作用点の距離が変化すると、リンク機構がロックするパターンがあることが分かります。
図10〜図12の事例のように、支点間距離や作用点の位置、リンクの長さの関係だけにとらわれず、支点位置などによっても状況が変化する場合があるため、必ず動作軌跡を確認しましょう。
駆動リンクが一方向に連続回転し、従動リンクや中間リンクを機能として使用する事例を確認しました。これらは四節リンクを実務設計で使う際によく用いられる構造となります。
ただ、安易に支点の位置やリンクの長さを決めてしまうと動作時に無理が掛かったり、動作ロックしたりする可能性もありますので、2次元CADで動作軌跡を描くなどして、不具合が発生しないか十分検討しなければいけません。
次回はスライド構造を組み合わせた四節リンク機構の特徴を確認しましょう。(次回に続く)
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